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チョムスキー教授のメッセージ | オックスフォード大学ゴンブリッチ教授のメッセージ
わが国の国立大学における「学問の自由」はいま,その100年の歴史の中で重大な危機にあります.すなわち政府,文部科学省は,行財政改革と称し,教育研究機関である大学に対しても,無理矢理に独立行政法人化(独法化)を強行しようとしています.
国立大学の独法化は単に国立大だけの問題にも,さらには大学だけの問題にも止まりません.国民全体に関わるものです.それは,この制度が教育と研究の衰退をもたらすというだけでなく,大学の社会に対する批判的な機能が致命的な打撃を受け,国家がその重要な警報装置の一つを失うことになるからです.また,国立大学という大学社会の一角で自由が奪われることは,公・私立大学にも少なくない影響を及ぼすに違いありません.
独立行政法人制度では,従来の組織から「企画・立案」機能が切り離されてこれが中央官庁に移ります.大学はこの指示に従って計画を作り,大臣の認可を受けなければなりません.このような制度は「独立」とは正反対に,大学を政府の直接統制下に置くものです.これが学問の自由とそのための大学の自治を保障した憲法23条に,そして教育への「不当な支配」を禁止した教育基本法10条に反することは明かです.
国立大学の改革は,現在行われている様々な官僚的な規制を撤廃して大学と諸構成員の自由と権利を拡大する方向でなされなければなりません.そのためにも,国民・納税者の意思を国立大学に反映させることは,「学問の自由」と矛盾しない方法で積極的に追求されなければなりません.
政府のこの無謀な政策を止めさせるための,また,国立大学のあり方を普通の人々の視点から考えていくための,職業や立場,党派や国籍を超えた人々のネットワークです.自由を愛するすべての皆さんの参加を呼びかけます.