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Date: Mon, 9 Nov 98 16:02:36 JST
From: toyo@cc.saga-u.ac.jp (TOYOSHIMA Kouichi) Subject: [reform:1045]
「答申」での各種キーワード出現頻度 To: Reform@ed.niigata-u.ac.jp (Daigaku Kaikaku
Joho ML) Reply-To: Reform@ed.niigata-u.ac.jp
Posted: Mon, 9 Nov 1998 16:05:12 +0900
「大学審答申」のキーワード出現頻度による「偏向度」の分析
佐賀大学の豊島です．
[reform:1019] で「中間まとめ」での各種キーワード出現頻度を数えてみましたが，
同じ事を答申でもやりましたのでお知らせします．結果は「中間まとめ」とほとんど 変わりませんでした．「民主」，「権利」，「人権」はやはり一回も使われておらず，
「産業界」は頻出します．「権利」が使われないのは中教審答申も同じです．これらの言葉を使う必要がないくらいに大学はすでに民主的であり，学生も含め構成員の権利は十二分に守られているとでも言うのでしょうか？
もしそうでないとすれば，このような性質の文章というのは，非常に儒教イデオロギ ーに片寄ったものであると言えるのではないでしょうか．
「中間まとめ」と併せて，次に一覧表を付けます．なお，「中間まとめ」では今回は 目次，付属資料は対象から外しました．
キーワード 中間まとめ 答申 文脈またはコメント
・決定，意思形成
民主 0 0 （したがって「民主主義」もゼロ）
自治（大学自治の意味） 4 4 すべて否定的文脈で
リーダーシップ 4 7 管理運営の文脈のみ対象
自主 22 32
自律 16 23
・社会の各セクター
産業界 15 27
労働界，教育界 ，宗教界，
法曹界，言論界，政界，
財界，官界，学界 0 0
消費者，住民，市民 0 0
国民 19 27
・理念，イデオロギー
効率 7 6
哲学 0 0
理性 1 1
批判 8 8 すべて「大学への批判」の意
権利，人権 0 0 （したがって学生の権利についても言及なし）
自由 4 4 「自由貿易」を除く
学問の自由 0 0
良心，真実 0 0
真理 1 1 「真理探究」
平和 0 0
独立 8 9 理念的文脈ではゼロ
・労働関係
労働条件，勤務条件，待遇 0 0
勤務時間 1 1 「〜の弾力化」
労働時間，多忙 0 0
・社会認識
環境問題 5 4
戦争，紛争，難民，
暴力，平和 0 0
・競争と協調
競争 17 19
協調 4 6 「世界的（または地球）規模での競争と協調」4
連帯 0 0
協力 22 29 理念的文脈ではゼロ
共同 14 15 「共同研究」など．理念的文脈ではゼロ
・法制度
憲法，教育基本法 0 0
学校教育法 7 8
・官庁用語（予算獲得用語）
特色ある 12 16
高度化 30 34
「中間まとめ」は目次・付属資料は除く．
「答申」は別紙１，2を含む．目次は除く．
TOYOSHIMA Kouichi
Dept. Phys., Univ. of Saga
http://pegasus.phys.saga-u.ac.jp
豊島耕一，佐賀大学理工学部物理科学科