大学審「中間まとめ」 キーワード出現頻度による偏向度分析
(本答申も検索にかけました.こちらをご覧下さい.)
もう時期遅れかもしれませんが,大学審「中間まとめ」について,その傾向性, イデオロギー性を見るためにいくつかのキーワードについてその出現頻度を見てみました. 次の言葉は今日だけでなく21世紀の大学や教育を考える上でも重要なキーワードになると 思われますが,しかし「中間まとめ」の長々しさにもかかわらずこれらの言葉(および それを含む合成語)はただの1回も使われていません.
民主,権利,人権,学問の自由,平和,憲法,教育基本法
大学審議会が参考にしたかもしれない文書にイギリスの「デアリングリポート」があります. デアリング氏の講演(学術月報,Vol.51 No.3)によれば,その後ろのほうに「文明社会の 良心としての大学」というような高邁な言葉がありますが,わが「中間まとめ」には ”良心”や”真実”という言葉も見当たりませんでした.
次がその一覧表です.ワープロソフトはこのようなことも簡単にやってくれます. なお,1行目は「フーリエ変換」なぞらえた,理系の人間にしか通じない駄洒落ですがお許し下さい.
「成分」は言葉,「振幅」は頻度,「位相」はどのような文脈で使われているか,という意味です.
| 成分 | 振幅 | 位相(またはコメント) | |
| 決定,意思形成 | 民主 . | 0 | (したがって「民主主義」もゼロ) |
| 自治(大学自治の意味) | 4 | すべて否定的文脈で | |
| リーダーシップ | 8 | ||
| 自主 | 25 | ||
| 自律 | 24 | ||
| 社会の各セクター | 産業界 | 18 | |
| 労働界,教育界 ,宗教界,法曹界, 言論界,政界,財界,官界,学界 | 0 | ||
| 消費者,住民,市民 | 0 | ||
| 国民 | 19 | ||
| 理念,イデオロギー | 効率 | 7 | |
| 哲学 | 0 | ||
| 理性 | 1 | ||
| 批判 | 8 | すべて「大学への批判」の意 | |
| 権利,人権 | 0 | (したがって学生の権利についても言及なし) | |
| 自由 | 4 | 「自由貿易」を除く | |
| 学問の自由 | 0 | ||
| 良心,真実 | 0 | ||
| 真理 | 1 | 「真理探究」 | |
| 平和 | 0 | ||
| 独立 | 8 | 理念的文脈ではゼロ | |
| 社会認識 | 環境問題 | 5 | |
| 戦争,紛争,難民,暴力,平和 | 0 | ||
| 競争と協調 | 競争 | 20 | |
| 協調 | 4 | 「世界的(または地球)規模での競争と協調」4 | |
| 連帯 | 0 | ||
| 協力 | 22 | 理念的文脈ではゼロ | |
| 共同 | 17 | 「共同研究」など.理念的文脈ではゼロ | |
| 法制度 | 憲法,教育基本法. | 0 | |
| 学校教育法 | 7 | ||
| 官庁用語(予算獲得用語) | 特色ある | 13 | |
| 高度化 | 32 |