文部科学省交渉報告

全国ネットでは3月25日に文部科学省の大学課の担当官と会見しました.時間はわずか30分でした.その概要を全国ネット側参加者のメモにより報告します.

会見は2月1日付けで文部科学大臣宛に提出していた質問書に沿って,その各項目の回答を求める形で行われました.また,その後明らかになった「非公務員化」の問題,また学生・院生に関する問題を取り上げました.

豊島のコメント

文部科学省交渉報告  2002年3月25日 本省1階会議室

出席者(敬称略)

国会
 廣瀬 勝芳 (山内恵子 衆議院議員 秘書)
 大島多喜子 (北川れん子 衆議院議員 秘書)

文部科学省
 神山  弘 (高等教育局大学課 大学改革推進室専門官)他1名

全国ネット
 豊島 耕一 (全国ネット事務局長)他2名

質問1:「国立大学法人」制度は中央省庁等改革基本法第三十六条が定義するところの「独立行政法人」に法律上含まれるか.

回答:最終報告は未確定であり,これがかたまらないとわからない,それをまって制度設計をする.国立大学法人とはいうものの独立行政法人に近い形であり,それをベースにするということは間違いない.

質問2:中間報告が「中期目標」と「中期計画」の制度を採用していることは,97年10月に発表された文部大臣の所信と基本的に矛盾するのではないか.もし矛盾しないというのであれば,その理由を明確に示し,「説明責任」を果たすべきである.

これに対しては,「所信」ではたしかに特別な限定もなく「中期目標」や「中期計画」の方式を否定していると言われればたしかにそうかも知れないが,人によって受け取り方が違うのではないか,というような回答でした.

質問3:「中期目標」等の期間の終了時に,業務を継続させるかどうかについて主務大臣はどのような関与を行うのか.

これについても,質問1と同様,「わからない」というものでした.

「非公務員化」問題についてのやりとり:

全国ネット:かつて有馬文部大臣は「独立行政法人化に踏み切ったのは、公務員型だから」と言った.これは、文科省の公約であり、公約違反だと思うがどうか。

文科省:有馬大臣がそういうことを言ったという事実はあるのでしょう。

全国ネット:「中間報告」で両論併記になり、12月の調整検討会議でいきなり非公務員型が打出され、最終報告に盛り込まれようとしている。どうして、職員の意見を聞かないのか。

文科省:中間報告で意見を求めた。

全国ネット:在職の職員は生涯にわたって公務員ということで公務員になった。一方的なやり方だ。正式に職員の意見を聞くべきだ。

文科省:正式とは?

全国ネット:大学当局が非公務員型についての職員の意向を調査し、それを文科省に報告させることである。

文科省:それは・・・。

全国ネット:貴方にはその裁量権がないと思うので、上司に伝えて下さい。

文科省:上司には報告します。

最後に,院生の参加者から,文科省は学生をもっぱら「顧客」として扱うつもりか,学生の「回転」を速くして利益を上げるような方向に必然的になるのではないか,産業界に役立つ学問だけを有利にして儲からない学問が切り捨てられるのではないか,という疑問が出されました.