国立大学の「独立」行政法人化が大学自治への侵害であるとすれば,それは単に国立大学の問題ではなく,私学も含む我が国の大学コミュニティー全体に関わる問題だということになります.そこで,次のようなパロディーはいかがでしょうか.

私立大学は「大学自治」だけでなく「結社の自由」によっても保護されていますので,この比喩は当たらないかも知れません.しかし同じ大学社会の一角で自治が奪われることは,私学にも何かの影響を及ぼすのではないでしょうか.(転載自由)


マルティン=ニーメラーの文章のパロディー

「独法化」が試験研究機関を襲ったとき,
自分はやや不安になった.
けれども結局自分は試験研究機関員ではなかったので
何もしなかった.
それから「独法化」は美術館を攻撃した.
自分の不安はやや増大した.
けれども依然として自分は美術館の職員ではなかった.
そこでやはり何もしなかった.
それから国立大学が,公立大学が,国立学校が,
というふうにつぎつぎと攻撃の手が加わり,
そのたびに自分の不安は増したが,
なおも何事も行わなかった.
さてそれから「独法化」は私立大学を攻撃した.
私は私立大学の人間であった.
そこで自分は何事かをした.
しかし,そのときにはすでに手遅れであった.



オリジナル

石出法太,『ドイツ』,岩崎書店,1992

マルティン=ニーメラー

ナチが共産主義者を襲ったとき,
自分はやや不安になった.
けれども結局自分は共産主義者ではなかったので
何もしなかった.
それからナチは社会主義者を攻撃した.
自分の不安はやや増大した.
けれども依然として自分は社会主義者ではなかった.
そこでやはり何もしなかった.
それから学校が,新聞が,ユダヤ教徒が,
というふうにつぎつぎと攻撃の手が加わり,
そのたびに自分の不安は増したが,
なおも何事も行わなかった.
さてそれからナチは教会を攻撃した.
私は教会の人間であった.
そこで自分は何事かをした.
しかし,そのときにはすでに手遅れであった.


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