市民有志が無形のマスメディアになろう! 教基法改悪阻止・
改憲阻止メディアキャンペーン10万円×10万人計画

昨年12月,「九条広告支援の会」準備会として発足しました.
全国紙意見広告運動への募金をお願いします
新提案:九条メディアウオッチ委員会(05年9月)

ver. 3.3, 最終改訂8月6日 (初版04年3月14日.旧バージョンはこちら), 印刷向けPDFファイル
提案者: 佐賀大学理工学部 豊島耕一 (ゴイル湖の平和運動家を支援する会世話人,元 国立大学独法化阻止全国ネットワーク事務局長)

図解
(クリックで拡大)

平和と憲法のための
「電通」です.


斉藤貴男氏が雑誌「望星」1月号でこの案を紹介(12月6日)

               「支持します」(10月3日現在)
石川捷治
(九州大学), 片山一義 (札幌学院大学・全国国公私立大学の事件情報 主宰), きくちゆみ (環境・平和活動家),
國弘正雄 (月刊軍縮問題資料 編集人・元参議院議員), くまがいマキ (非戦を選ぶ演劇人の会 実行委員), 斎藤貴男 (ジャーナリスト), 貫橋宣夫 (久留米大学), 蔦川正義 (佐賀大学名誉教授), 西山剛司 (9条の会を応援し趣旨を広める会), 半田駿(佐賀大学), 宮島敬一 (佐賀大学), 屋富祖昌子 (琉球大学)
支持者として上にお名前を掲載させて頂ける方はメールで括弧書きと共にお知らせ下さい.
ご意見もどうぞ.宛先:toyo@cc.saga−u.ac.jp(半角になおして下さい.スパム対策です.)
大江健三郎氏ら「九条の会」を結成 公式ホームページ

よくある批判・質問への回答 (FAQ)(5月15日更新), 同PDF, 討論 (最終更新5月9日)
提案者のウェブサイト
●10万円は高すぎる一律ではなく多様な金額で / 削減可能な他の支出 / 九条蹂躙に使われた10年間48兆円に比べれば些少 / 金銭的にも元が取れる / 九条へのささやかな恩返し 
●「それだけの金があったら、イラクの孤児を助けろ」
国民に真実を伝えるのは正しい使い道
使い道だけでなく,百億円を生成することと一体不可分の提案

●広告費1千万円は安価という感覚にはついて行けない
配達料込みで一部2円は格安 
●インターネットの方が効果的
マスメディアでなければ間に合わない 
●相手の方が財力も権力もあるのだから不利
政治的焦点の問題での対決は「表舞台」でしか行えない
●選挙との関係は? 議員個人の考えを変ることがカギ
補足:おそらく最後のチャンス

著名人への郵便(4月26日)→ 添え状
九条についての提案者の考え

久留米“母女”で配布
大牟田での「ベアテ・シロタ・ゴードン講演会」で配布
「ケン・オキーフ講演会」で配布したビラ(8月7日)

ダイジェスト版(佐賀大学の同僚・学生の皆さんへ)PDF




目次
1.どうしたら改憲阻止ができるか「逆算」すべき
2.パラサイト型マスメディアの提案
3.十万×十万=百億
4.国立大学独法化阻止のための意見広告運動の経験
5.複数のグループによる切磋琢磨
6.メディアへの国民の権利

付録 意見広告運動リンク
企画書案 段取り,組織構成案(8月11日追加)


はじめに

国会で改憲勢力が多数を占めており,世論も徐々に変化を見せるなど,護憲運動はもはや一歩も引けない状況にあります.PKO法から有事法,そして自衛隊の戦場への公然たる派兵という,この国の軍事化のスピードの加速化を見れば,もはや一刻の猶予もないと考えるべきでしょう.「国民投票で阻止できる」と思う人もいるかも知れませんが,おそらくその段階ではほとんど困難でしょう.なぜなら改正案は「環境権」や「首相公選」など,もっともらしい項目との「抱き合わせ販売」になって出されて来ることは確実だからです.また,もしそこまで行ってしまったとすれば,それ以前に,国民投票の必要がない教育基本法の改悪で外堀を埋められている可能性が大です.

政治に不確実な要素はつきものですが,何か改憲に不利に働く要素をぼんやり想像してそれを当てにしたりするわけには行きません.もちろん今から諦めては話になりません.早急に反撃を組織し,この社会の雰囲気を一変させることが必要です.そのような問題意識からの提案です.

1.どうしたら改憲阻止ができるか「逆算」すべき

改憲阻止・教基法改悪阻止を達成するのは容易なことではなく,質的にも量的にもこれまでとは格段に異なる運動が要求されると思います.これらの問題で重要なのは,ただ「全力をあげる」というようなことではなく,「目的を実際に達成するためには何が必要か」という「逆算」です.さまざまな分野での努力が必要ですが,ひとつの重要な分野が,大多数の国民に改憲・教基法改悪が何をもたらすかをよく理解してもらうための活動であることは間違いありません.

そのための基本的な情報を公平に国民に知らせ続ける責任はマスメディアが担っているはずですが,メディアの現状がこれと大きくかけ離れていることは多くの人が認識するとおりです.良質の雑誌やインターネットのウェブサイトが有用な情報を提供してはいますが,これに触れる人の数は限られています.政治の流れを支配するのは世論であり,それに支配的に影響するのはやはりマスメディアですから,ここになんとかして有用な情報を乗せるようにしなければなりません.そしてそれはメディアの変化を待っていては間に合わないのです.

2.パラサイト型マスメディアの提案

ではどうすればいいのでしょうか.資金の問題を別にすれば,方法は簡単です.それは,「意見広告」というかたちで新聞紙面や放送の枠を買い取り,そこに情報を流すのです.もちろんこれまでも多くの人や団体が意見広告運動に取り組んで来ましたし,また今も取り組んでいます.しかし量的には少なく,体制側(憲法の立場から見ると反体制側)による大量の言説と宣伝にほとんどかき消されてしまっています.そこで,このような運動を,多くの人に明確な印象を与える程度の規模と密度で集中的に実施することで,目に見えた影響力を持たせることを提案したいと思います.

「意見広告」の内容としては次の三つが考えられます.まず第一は,従来から行われているような文字通りの意見広告です.良く練られた内容をプロフェッショナルな仕上がりで,また著名人の協力なども得て,効果的なものを作る必要があります.

第二は,実はこれが最も重要だと思われますが,メディアが無視する重要な事実,事件を自主的に報道することです.これがこの提案文書の表題に「無形のマスメディア」という言葉を付けた所以です.たとえば,先日,大江健三郎氏ら著名な9氏が「九条の会」を結成しましたが,これを報道したのはごく一部の新聞に限られ,それも小さな扱いでした.このような,九条問題に関する重要な情報をメディアが無視するとき,それを少し遅れてでも確実に「報道」するのです.いわばパラサイト型のマスメディアです.(うまくすると「宿主」の行動に影響を与えられるかも知れません.)

三番目は,有用な出版物,イベントなどの宣伝です.現在,憲法擁護や平和のための多くの本や映像作品が作られており,また多くの集会,パフォーマンスが実施されています.ところがマスメディアがこれらをあまり取り上げないため,折角の優れた作品や催しが多くの人に知られないままに終わっています.そこで,これらを企画しているグループも資金提供の対象とし,マスメディアで宣伝すれば,その効果が何倍にも拡大されると思われます.

これまでも行われているような,年に数回の新聞の意見広告もそれなりの効果はありますが,宣伝における最も重要な要素はその量です.人々の記憶に定着させ社会的な効果を生むためには,それがある臨界点を超えなければなりません.おそらくこれは広告業界では常識でしょう.このような,いわゆる「1+1が2ではなく3にも5にもなる」という領域,これを物理学では「非線形効果」と言いますが,そこまで行って初めて「広告を打った」と言うに値するのではないでしょうか.そしてここで初めて意見広告は世論形成への「目に見えた力」となることが期待できます.

3.十万×十万=百億

このような規模のキャンペーンを実施するにはもちろんケタ違いの資金が必要です.しかし,もし多くの人がこの方法の「目に見えた力」を確信すれば,この多額の資金を集めることは不可能ではないと思います.そのような金額として100億円を想定して見ました.これは莫大な金額に思われますが,たとえば10万円×10万人で達成できます.多くの人がこれが可能であると信じることができれば,護憲勢力は100億円の資産家になります.

100億円では,大ざっぱですが,つぎのような規模の広告が可能です.

  新聞全国紙全面広告(1千万円)    1,000回   または
  テレビ15秒スポット広告(100万円)  1万回   または
  ラジオ20秒スポット広告(10万円)  10万回

これだけの規模になると,広告に関して言えば,万人向けの平均的な内容のものだけでなく,イメージ的な広告や,文章主体の理詰めのものなど,いろいろな考えの人にターゲットを絞った複数の種類のCMが可能になります.自主報道もかなりの頻度で重要なニュースを全国民に知らせることができます.

もし一人当たり10万円で憲法改悪阻止が「買える」とすれば,これはとても安い買い物ではないでしょうか.そしてそのように考える人が10万人はいても不思議ではないと思います.憲法が,九条の空文化のように,無視され蹂躙されている状況を考えれば,改憲阻止,憲法擁護と言うより,むしろ憲法をあらためて選び取る,そして「発効させる」闘いというべきかも知れません.売買に喩えれば,憲法を100億円で「買い戻す」のです.この金額は確かに大きいですが,これまで九条蹂躙に使われたお金(最近10年間の「防衛関係予算」の累計だけでも48兆円)に比べれば微々たる金額です.もちろん寄金の額は10万円に限定する必要はなく,数千円程度の小口から幅広く募る必要があります.

4.国立大学独法化阻止のための意見広告運動の経験

このようなことを考えた背景を少し説明いたします.国立大学の教職員有志は,国立大学の独立行政法人化を阻止するべくさまざまな運動に取り組みましたが,最終盤では2ヶ月ほどの間に4回の新聞広告を,約4千万円のお金を集めて,全国紙の半ページや全面に打ちました*.最後の2回は,重要問題にもかかわらず報道しないメディアに代わって,有志で紙面を買い取って報道するという考え,つまり「自主報道」という考えが生み出され,これに基づいて実施されました.実は,私はこれに,それまでのどのような集会や署名運動よりもずっと強い手応えを感じました.昨年5月にも成立と見られていた法案が延長国会までずれ込んだのです.

最初の広告は,面積のほとんどが醵金者の名前で埋められ,いくつかのスローガンが小さな字で書かれているというものでした.私は,こんなはずではなかった,これではほとんどお金をドブに捨てるようなものだとがっかりしました.しかし回を重ねるごとに内容は進化し,最後の2回はかなり説得力のある「自主報道」になっており,関係者だけしか知らなかったこの法案の問題点がかなり幅広く認識されるようになり,マスメディアや国会審議に少なくない影響を与えたと思われます.

結果的には敗れましたが,もしこの運動が2倍の規模で実施できていたとしたら,あるいは勝てたのではないか,そのような感触を持ちました.
      * 国立大学法人法案に反対する意見広告の会
       
http://www.geocities.jp/houjinka/
      
最後の広告のhtml 版 http://ac-net.org/dgh/03/701-ikenkoukoku.html

新聞の全国紙に全面広告を出す費用は約1千万円ですが,これは決して高くなく,むしろおそろしく安価であると見るべきです.なぜなら,同じ数を仮にダイレクトメールで届けるとすれば,その40倍,つまり約4億円が必要なのです.つまり,1千万円というのは,意味のある広告活動には「量」が必要であり,したがって経費もそれなりに必要であるという,極めて当たり前の数字に過ぎないのです.

私自身も,独法化阻止運動団体の事務局長として独法化反対に取り組んでいましたが,資金的にはせいぜい数十万円の規模で,数千万などという金額は思いもよりませんでした.ある集会で東大の教員の方が,「身銭を切らなければ本物ではない」というような発言をされ,その方の呼びかけて始まった新聞広告運動ですが,その人自身も短期間に4千万円もの金を集められるとは思っていなかったかも知れません.最後の広告を計画する際には,もはや多くの人からの醵金は難しいだろうから,少数の,多額の出資者が必要だということで,一口50万円もの高額醵金者が募られました.

独立行政法人化問題での醵金者の母集団は国立大学関係者で,その人口は15万5千人です.国立大学初まって以来の危機だというので,これだけのお金が集まったのでしょう.しかし憲法改悪は戦後体制始まって以来の全国民的な危機であり,1億2千万の全国民がその直接の影響を受けます.九条の持つグローバルな意味を考えれば,地球規模の問題と言っても言い過ぎではないでしょう.仮に国立大の広告運動と同じ人口比でお金が集まるとすれば,4千万円×(1億2千万人÷15万5千人)=310億円が集まってよい計算になります.就業人口の割合などを考慮して3分の1のファクターを掛ければ100億円です.因みにアメリカの大統領予備選挙で,民主党のディーン候補が2003年に集めたお金が約4000万ドル(約44億円)と言われています.

5.複数のグループによる切磋琢磨

もちろんこのような活動は,労働組合などの既存の組織にも求められますが,しかし最も効果的な報道や広告に取り組めるのは,それを目的として作られた組織だと思われます.またこの提案は100億円を一括して扱う団体を新たに立ち上げるというものではありません.それは困難なだけでなく,いろんな意味でリスクが大きすぎるでしょう.そうではなく,これまで取り組んだ団体や,新しい団体が出来て,それらが互いに競い合い,それによってより効果的な報道やCMが作られるようにするのがいいと思います(今流行の“競争的環境”).資金提供者は,提案される報道や広告の中味を見てどのグループにお金を出すかを決めることが出来ます.これだけの資金規模で初めて許される「贅沢」です.

 具体的には,これらのグループによる活動を援助し,調整するようなセンターを設立します.そして,複数のグループによる多様性と,広告に必要な「繰り返し効果」(同一性)とを両立させるため,統一のロゴマークやキャッチコピーの制作や管理を担います.寄金者に「ポイント」を発行するようなシンボル機能を果たすことも考えられます.(詳しくは企画書案参照)

自主報道の記事やCMの制作に当たっては,プロの協力を求めることで質の高いものにする必要があります.醵金者の名前を列挙するようなタイプの広告もあるいは初期には必要かも知れませんが,問題自体に切り込む,内容豊かで,分かりやすく,そして心を打つ本格的なCMこそが重要です.

広告業界を儲けさせるだけという批判はあたりません.メディアのCM枠はだいたい決まっており,いずれにせよ商品代金などでわれわれがそれに相当する金額を払うことになるのです.それならばより社会的に意味のある情報でその枠を埋めた方がいいのではないでしょうか.

先に,憲法を「買い戻す」と言いましたが,もちろんこれだけで改憲阻止が確保されるわけではありません.むしろそのための第一歩と言うべきでしょう.しかし,この程度の事はどうしてもやらなければ勝てないという,そのような「不可欠の第一歩」ではないでしょうか.

6.メディアへの国民の権利

関連して,メディアの公正さの追及も併せて行わなければなりません.民間放送といえども,有限なバンド幅を持つ電波という公共財を使っているのですから,これへの国民のアクセス権を主張することが重要です.その権利には,受け手としてのアクセス権だけでなく,送り手としてのアクセス権もあります.また,ニュースの公正さを要求することで,デモなどを不当に低く扱うことを止めさせれば,自主報道の回数を節約することが出来,また意見広告と同様の効果を持つことになります.例えば憲法擁護集会のニュースに120秒が使われれば,それは800万円の広告に相当します.

以上の提案は,規模の問題を別にすれば何も新しいことではありません.今でも多くの意見広告が出され続けているので,この運動は「すでに始まっている」とも言えます.それをもっと大規模かつコヒーレントに実施しようというのがこの提案の趣旨です.

冒頭で「逆算」が重要と述べたことの繰り返しになりますが,要するに本気で改憲を阻止するつもりでやるのか,それとも「頑張った」と言えればそれで満足するのか,という問題なのです.もし前者であれば,ここで述べた提案はそのための必要条件のように思えるのです.


意見広告運動リンク「継続」は意見広告運動を継続中

● 意見広告*憲法

市民意見広告運動 継続 憲法9条を変えることに反対する意見広告を2005年5月3日の全国紙数紙に一斉に掲載する計画.
イラク攻撃に反対する意見広告の会 予定なし
「有事法制」に反対し、平和憲法を生かそう! 日本キリスト教協議会(NCC)
第九条の会ヒロシマ 継続  2002年の意見広告のページ
有事立法の廃案と司法改革の危険性を訴える意見広告運動
「社会科学研究者は訴える。米国の対イラク先制攻撃に反対します。日本のイラク攻撃加担に反対します。」
イラク攻撃と有事法制に反対する意見広告  市民意見広告運動と同じ
沖縄タイムス労働組合の意見広告
女性の憲法年連絡会
私たちは「日の丸・君が代」の強制に反対します。 千葉県高等学校教職員組合分会ほか
有事法制に反対する君津地域市民連絡会
01年2月24日付『中国新聞』―「広島県内版」
「自衛隊イラク派兵反対・イラク支援」意見広告島根県実行委員会

● 意見広告*平和

8.9平和アピール実行委員会,長崎
特殊法人等労働組合連絡協議会
「米国の対イラク先制攻撃」と「日本のイラク攻撃加担」に反対する「意見広告」
大阪府・箕面市議会議員(無所属・みどりの市民派)
奥村美枝(箕面市民)ほか
「キリスト者の戦争拒否宣言」意見広告
自治労鳥取県本部
自治労九州地連
愛と平和のプロジェクト 継続 (媒体掲載料一覧あり) “質問にお答えします”
錦江湾・鹿児島の海の非核化をめざす意見広告の会
グローバル・ピース・キャンペーン
社民党長野県連合
岐阜県教職員組合

● 意見広告*教育基本法

教育基本法改悪反対・「多彩な意見広告」の会
教育基本法改悪に反対する署名実行委員会
子ども・教育・くらしを守る横浜教職員の会
「日の丸・君が代」強制に反対する意見広告の会

● その他

第9条の会・第9条の会なごや / グリーンピース・ジャパンその意見広告 / 自衛官ホットライン / フォーラム平和・人権・環境 / 市民の意見30の会 / 人文字 メッセージ NO WAR → ニューヨークタイムズ掲載広告