独法化問題の重要なポイントがあまり触れられていないように思います.国立大学には当然いろいろな問題がありますが,独法化はそれへの対応の一つという前提での議論がされています.しかし本当の目的の一つは大学の国家統制ではないでしょうか(詳論).
「規制緩和の世の中にそんなバカな」と思われるかも知れませんが,省庁等改革基本法38条など独法関係の法律を見ればすぐに分かります.これは2回目の討論で鹿大の田中学長が指摘されたとおりです.
実際,文科省は小・中・高の画一的な統制を確立しています.教科書検定,学習指導要領,そして日の丸・君が代の押しつけなどなど.つまり,大学にもこれらの事柄が強制される可能性があるということです.そして大学が抱える本当の問題はまたまたはぐらかされます.
大学の役割としてさかんに実利が強調されますが,社会批判の能力も大事なのです(ユネスコ98年宣言).これが失われると不況脱出も難しいだけでなく,最悪ではおじいさん,おばあさんたちの時代に起こった事,最大最悪の「公共事業」,戦争の危険も.この投稿欄のテーマに沿って言えば,「政府を気にしてものが言えないような大学はいらない.」