報道説明 2004年10月28日
バークフィールド・フェンス破り事件で被告たち有罪とされる ―ただし少額の罰金支払を命じられたのみ
ライセスター、ロンドン及びノーウィッチから加わった6人のトライデント・プラウシェアズの反戦活動家は、本年6月、イギリスの大量破壊兵器基地の一つであるバークフィールドに立ち入り、1時間以上その機能を麻痺させたのであるが、本日午後の治安裁判所に判断を委ねた結果、治安判事が彼/彼女らのうちの4人を器物損壊罪で有罪とした(あとの2人は「義務を負うこと」を認めたために嫌疑を免じられた)ことに失望しながらも、自分たちの行動は国際法上有効であるとの主張が裁判所によって少なくとも共感を持って受け取られたことを喜んだ。
6人の誠実さ、真面目さ及び「きわめて道徳的な性格」に対する治安判事の共感―「並々ならぬ良心的な人びと」であると判事ははっきり認めた―は、彼/彼女らが支払を命じられた罰金及び費用の総額がきっかり380ポンドであるという事実によって示された、というのはこの額は、6人が破ったフェンスの修復費用の国防省見積もりよりずっと少ないからである。
証拠要約の中で被告たちは、集積され配備された核兵器の保持そのものが不道徳であるのみならず国際法上犯罪的であると主張した。裁判長は、イギリスが国際刑事裁判所に加盟したことが一つの新しい要因であり、そのことが、例えば昨年、イラクに対して核兵器を使用するというジェフ・フーンの脅しのような、国際法上不法な行動をそそのかす行動が犯罪として裁かれる可能性を開くものであることに同意した。そうだとすれば、このような犯罪、つまりバークフィールド/オルダーマストンがやっているような核の脅威を持続させる犯罪を防止する行動は、どうみても器物損壊罪を構成することにはならないであろう。
さらに治安判事は、ニュルンベルク原則によれば命令に従っただけということは法律上の抗弁ではないことをきわめて明確にした。このことは、被告の一人、キャスリン・エイモス(UEA*ノーウィッチ環境科学部の哲学博士、現在リーズでポスト・ドクター研究中)が、警察官にインタヴューしたとき、その警官はバークフィールド基地に配備されて命令に従うだけで満足だと言ったというやりとりを自分の弁論で引用した後だっただけに、とりわけ印象的であった。(バークフィールドの6人の行動の目的の一部は、バークフィールドの全職員にジュネーヴ協定及びニュルンベルク法に関する彼/彼女らの権利・義務を直接に知らせることであった。)
しかし極めて残念なことには、いずれにせよ治安判事は活動家たちを有罪と認定し、6人の事案は、トライデント・プラウシェアズの活動家に対して下された先例(「ハッチンソン」事件)、それは上級裁判所で以前の機会に下されたもので(少なくとも基本的に類似している事例であれば)治安判事が従わなければならぬ判決なのであるが、これと全く類似しているとは言えないと結論したのである。
評決の後、被告たちの記者会見でルパート・リードは次のように述べた。「アメリカの最高裁判事ジョン・P・スティーヴンスは、最近グァンタナモ湾での拘束及び拷問に関連して『暴政の力に抗するためであっても暴政の道具を用いてはならぬ』と言明した。ジェフ・フーンが最近イラクに対して使った核の恫喝は暴政の汚い道具である。それは止められなければならない。バークフィールドの6人は、それを止める段階的プロセスにおいて現実的役割を果たしている」と。
キャスリン・エイモスは次のように付け加えている。「大事なことは、私たちのメッセージが核基地で働く人々に理解されることです。私たちはあなた方に個人的な敵意を持つものではありません。国際法並びにイギリス法上のあなた方の責任について真実が語られる必要があると信じるものです。真実が語られれば、あなた方が従事していることは、中止すべき犯罪的活動であることが分かるものと考えます。私たちは、あなた方が遠からぬ日にこの結論に至るであろうと望んでいます。私たちは、イギリスの大量破壊兵器が非武装化されるまで、この6月に私たちがバークフィールドで取ったのと同様の行動に出る全ての市民を励ますものです」と。
バークフィールドに入り込んだ活動家は、47歳の歴史教師、19歳のバー従業員、43歳の独学の未婚の親、30歳のヴァイオリン教師、27歳の持続型社会政策のコンサルタント、25歳の大学研究員である。
註
・ イラクの兵士・市民に対して核大量破壊兵器を用いるというジェフ・フーンの脅しの詳細については、ヨークシャーCND(反核運動)まで。
・ BBCニュースストーリー(2004年6月1日)
・ BBCニュースストーリー(2004年10月29日)
・ スコッツマン・ニュースストーリー(2004年10月29日)(真鍋訳)
編集者註
*UEA: University of East Angliaホーム