報道発表 2004年10月11日

ダウニング街を今日一日中封鎖した「トライデント潜水艦」,また「闘う」日もあろう

今日10月11日月曜日に英国中から集まった平和活動家たちは、労働党に対して、大量破壊兵器(WMD)を廃棄し,WMDに関する国際条約が定める義務に完全にしたがうことを要求するために、巨大なトライデント潜水艦の模型を英国政治の中心地に持込んだ。

核兵器撤廃運動(CND)の議長であるケィト・ハドソンを含む国際的な専門家たちがイベントが展開するのを見守った。午前10時から午後3時半まで「潜水艦」はダウニング街への入口を封鎖し、車の出入りを阻止した。警官たちと潜水艦の中に入っている乗組員28人の間で引き起こされた取引の後、潜水艦は、警官たちによって壊されるよりは、平和活動家たちによって分解される道を選んだ。

封鎖の最後の数分の間に、ダウニング街のゲートのところで、トライデント・プラウシェアズの広報担当者であるアンジー・ゼルターは、トニー・ブレアーの代理人に手紙を渡したが,それは,英国が、米国との1958年核協力条約(相互防衛条約,MDA) の更新を拒否すること、そして英国が核軍縮を実行するための行動を起こすよう要求している核拡散防止条約(NPT)を完全に遵守すること,これらを保証するよう求めている。(これに比べ、MDAを更新することは、英国が、核廃絶を促進したり、この動きに加わるような気配をまったく示していない世界最大の核兵器国家である米国と一緒に活動し続けることを意味するであろう。)

この手紙は、英国首相に対し、国際法を支持し、条約の更新を拒否し、トライデントの核兵器システムを止めるように迫っている。この呼びかけは、労働党と保守党の両党が今年更新することにしている米国とのMDAをもし継続するならば、英国はNPTに違反することになるであろう、という結論をくだしたマトリクス・チェンバー(註)の権威ある法的見解の発表に続くものである。

トライデント・プラウシェアズの広報担当者であるアンジー・ゼルターは、この手紙を受け取った首相官邸の代表者に対して「どうかこの手紙をブレアー氏に個人的に手渡し、二つの条約が両立しないのならば、その一つは道をゆずるべきです、と首相に伝えてください。英国は、自国の武器庫を拡大することを計画している一方で、核不拡散の道義的に優位な立場を主張することはできません。米国との核協調は中止すべきであり、両国はNPT条約にある両国の義務を認識するべきです。」と伝えた。

この日は、トライデント・プラウシェアズの広報担当者役として行動していたノリッジ市の市会議員ルパート・リードは次のように付け加えた。「明らかに成功した今日のイベントの意図は、英国に住む私たちがNPTを踏みにじり、わが国が持っている不法な核兵器を保持し続けるべきなのか否かについて,少なくとも公開の論議と議会における論議なしには核の大量破壊兵器の業務を続けることを政治的に不可能にすることに役立てるためであった。イラクが大量破壊兵器を所有していなかったことが最終的に示されたのに、一方で英国は大量破壊兵器をたくさん持っており、しかも -- 無法者国家のように国際法と条約上の義務をはなはだしく無視しながら -- それらの兵器類を排除することは何もやっていない。その反対に英国は,大量破壊兵器の能力拡張を進める反動的ブッシュ政権に協力している。この許しがたい状況は、ホワイトホール(英国政府のこと)に向かって体を張って抗議する覚悟を決めたこのたくさんの勇気ある平和的抵抗者たちによって、ありありと白日のもとにさらされた。正しい考えの人たちはみな彼らを支持し、褒めたたえるべきだ。」

スコットランド議会の「緑の党」議員、欧州議会の「緑の党」議員のカロライン・ルーカス、スコットランド社会党、スコットランドとウェールズの国民党の議員、労働党の国会議員ジェレミー・コービン、アリス・マーン、アラン・シンプソンなどを含めた多くの国会議員からの支持のメッセージが届いている。CND議長であるケィト・ハドソンは、この場面を見て「私たちの政府が大量破壊兵器についての偽善行為を終わらせる時が来た! 今すぐあなたがたの代議士にコンタクトして、MDAに反対を表明し NPTを守るように努力することを促してください」と語った。


(訳K)

注:
マトリクス・チェンバー(Matrix Chamber)
有名なイギリスの法律家の団体.

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