2000年9月11日 月曜日

AWTT裁判 - 第1日目

ロージーとレイチェルの昨年2月のバローでの活動に対する裁判が,きょう,マンチェスター刑事裁判所ハンフリー判事のもとで始まった.たくさんの支持者がカラフルな旗や横断幕を持ってマンチェスター市庁舎の前に集まり,裁判所まで行進した.

8人の男性と4人の女性の陪審員が,自分か自分の配偶者が核兵器,軍事産業,または軍で働いていないかどうか,またCNDや他の「平和の抗議運動」のメンバーでないかどうかを尋ねられたあと,宣誓させられた.レーダー試験装置と原潜本体への損壊という二つの告発が読み上げられた.判事は,このケースでは何ら保安上の問題はないことに同意して,大きなケージ状の被告席から出ることを許した.

検察側は冒頭,ロージーとレイチェルの意図が自分たちの主義主張を宣伝するために原潜にダメージを与えることにあったと述べた.レーダー装置を破壊する使われたハンマーが陪審員に回され,陪審員はそれに描かれた木や鳥やピースマークのきれいな装飾を見ることができた.法廷には「女性は平和を求める」と書かれた横断幕がかかげられれていた.検察側は,被告達の「誠意」については争うつもりはないことを強調し,問題は彼女らが法を冒さないという義務を持っていたという点だとした(むしろ弁護側と同じ立場だ!).

検察側第一証人は,原潜から彼女らを連れ去るときに同伴したイギリス海軍の技師であった.彼は弁護側の反対尋問に対し,ベンジャンス号はバローからより警戒の厳しいファスレーンに出航する予定だったことは広く知れわたされていたということを認めた.次に彼は英国放射線防護委員会(NRPB)の安全基準について尋ねられた.彼はこれについてはあまりよく知らないことを認め,もしバローで原子炉からの放射能漏れが起こったときの彼の唯一の役目はハッチを閉めることだったと認めた.最近のクルスク事故やジブラルタルの原潜の件がベンジャンス号の安全対策に何か影響を与えたかと聞かれたの対し,ノーと答えた.最も重大なことに,彼女らの行動のあと原潜の出航が遅れたことを彼は認めた.ただし,彼は「それが直接の原因だったかどうかは自信がない」とは言ったが.(検察は彼に事情を説明するのにこれまで18ヶ月間もの時間があったのだ.)

次の証人はマルコーニの安全主任が,原子炉の放射能漏洩時の彼の安全上の責任について訊かれた.彼の唯一の役割は,原潜から約4分の3マイルの所にある集合地点まで作業員を避難させ,ヨウ化ナトリウムを作業員と周辺住民に確実に配布するようにすることだと述べた.ただし周辺住民への配布の具体策は明かではなかった.彼は,ヨウ素は放射線障害やガンを防止するためのものだと思っていた.かれはトライデント・プラウシェア(TP)については聞いたことがあり,TPのメンバーがしばしば職員との議論を企てていた事をはっきりと認めた.しかし現在までのところ彼は,原潜の製造を止めるべきだと考えるには至っていないとのこと.

午後,損害額をはっきりさせるためにさらに複数の証人が呼ばれた.レーカル(英国の通信機器メーカー)の従業員は,一つのコンポーネント当たり82,000ポンドという彼の見積もりを44,000ポンドに変更したりしながら,装置の総価格をなかなか明らかにしようとしなかった.

判事が明日出廷できないので公判は水曜朝まで休廷となった.検察側証人は水曜には終わる見通しである.



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