トライデント・プラウシェア報道発表
法務総裁の事件付託

2000年11月16日

メイタイム非武器化の実行者は,高裁がトライデントが違法と宣言するよう申し立てる

「トライデントの3人」の裁判の見直しである,法務総裁の事件付託についての審問がエジンバラ高裁で続いているが,アンジー・ゼルターは,「ぎこちないごまかし」は終わりにして,トライデントが違法であるとの判断をするよう裁判官に対して強く申し立てた.この法廷での彼女の二度目の陳述となる.

アンジーは勅選弁護士や弁護士に囲まれて法廷に臨んでいる.彼女はトライデントのための水上実験室メイタイムに対して行動を起こした3人の女性の一人で,スコットランドの最高裁判所で目下自らを代理している.トライデントへの攻撃は侵略者に対する合理性のある実力行使として正当化されるだろうとの主張に触れながら,彼女は,核による応酬はならず者の鼻柱を折るというような類のものでは全くないと指摘した.もっとぴったりのアナロジーは,いつ何時でもならず者の家を焼き払う準備を整えて待つようなもので,したがって,ならず者の家族全員を殺し,まわりの住人全部を危険にさらすことである.

核兵器の配備がもたらしている危険の切迫性を明らかにするために,彼女は,米国戦略司令部の元最高司令官リー・バトラー将軍のスピーチから広範に引用した.バトラーは次のように確信している.「我々は巧妙さと幸運,それに神のお陰とが重なって何とか核ホロコーストを起こさずに冷戦から抜け出ることが出来た.・・・」そして彼は,米国の核戦力は今でも一触即発の警戒体制に置かれていることを指摘した.普通の市民が介入することの正当化は無政府主義に行き着くという主張に応えて,彼女は次のように述べた.「無政府主義どころか,その構成員が善き秩序の維持のために助力する用意があると言うことは文明国であることの印である.」

彼女は,核兵器国による核の配備情況が,国際法における彼女らの裁判での立場を弱めたとの考えを軽蔑し拒絶した.もしそれが正しければ,法律は暴力からだれ一人も守ることは出来ないだろう.ICJのウィラマントリ判事による異論を詳細に引用しながら,彼女は威嚇が核抑止のまさに本質であることを示した.彼女は,グリーノックで行われた証言が今回許されなかった事で,この法廷が核心となる問題を審理する能力は著しく妨げられたと述べた.その証言は女性たちの行動が犯罪防止をなし得る事を証明していた.

結論として彼女は,次のことがらに関していくつかの陳述をすることを法廷に願い出た.すなわち,人道法がスコットランドにおいて適用されること,普通の市民が法を維持するために行動する権利,そして軍のメンバーがトライデントに関して国際法に従う義務についてである.

判事たちは彼女の陳述を注意して聞いていて,さえぎることはしなかった.彼女が陳述を終えたとき,傍聴席の人々は立ち上がって喝采した.「彼女はすばらしい」と,一緒にメイタイムを非武器化したウラ・ローダーは言った.

これより先,国側はマーガレット・ギムブレット判事のグリーノック裁判の指揮と,弁護側鑑定証人の質と適切性とをけなす事を試みた.勅選弁護士ダンカン・メンジーズは,グリーノックの鑑定証人フランシス・ボイル教授とポール・ロジャーズ教授は法廷に何ら有効な証言をもたらしておらず,彼らの主張はうわさや新聞記事によるものだと主張した.彼は,ギムブレット判事はそれらを受け入れるべきではなかったし,評決を陪審に任せるべきであったと述べた.

メンジーズは彼が言うところの仮定上のトライデントの合法的な使用例を挙げた.もし核兵器で武装した中国の艦船がニュージーランドに向かって航海していて,核発射の意図を明言しているならば,ニュージーランドの同盟国はこの艦船に対して核兵器を発射できるはずで,この場合無辜の市民はだれも巻き込まれないので合法的であり得る.

勅選弁護士が,核不拡散条約の存在が核兵器の合法性の幾分かの容認を意味すると述べたとき,プロッサー判事は,IRAの武装解除の交渉が行われた事がそれらの武器が合法的であったことを意味するものではないと述べた.

審問は明日終わると予想され,そのあと数週間のうちに判決が出されるだろう.
(T)



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