法務総裁の事件付託
トライデント・プラウシェアズ 報道発表
2000年10月12日
アンジー・ゼルターの法廷助言者として出席した勅選弁護士ジェリー・モニハンは今日,高等裁判所で開かれている法務総裁の事件付託の聴聞への意見陳述を続けた.この審理は,昨年のグリーノックでの「トライデントの三人」の裁判と無罪判決とを再評価するためのものである.
モニハン氏の核兵器の合法性についての1996年の国際司法裁判所の意見をよりどころとした議論に対して,裁判長プロッサー卿は,裁判所の決定そのものよりも,判事たちが示した理由付けの方に焦点を当てるのが良いのではないか,と示唆した.それは後者は解釈が難しいからという理由である.
モニハン氏は,自分はトライデントの違法性に基づく陳述をしているのであり,全面的な事件付託はヨーロッパ人権規約に照らして不適当であるという彼の立場を保持していると述べた.グリーノックでの鑑定証人の証言に言及しながら,彼は次の事を指摘した.すなわち,トライデントは大量無差別殺りくの兵器であること,その標的に最もなりそうなのはモスクワのような都市であること,イギリスの存続を確保するという以外の目的を持っているということ,いわゆる「ならず者国家」に使用される可能性があること,そしてたとえば湾岸戦争の際に実際にその前兆が示されたこと,これらである.
プロッサー卿はグリーノックでの鑑定証言の有効性に疑問を表明した.ポール・ロジャース教授の証言に触れて判事は,われわれは新聞記事や政治家の「二枚舌」からの情報に頼ることは--ロジャースはそうしたようだが--出来ないと言うことを示唆した.
モニハン氏の見解によれば,ICJの判事たちが核兵器を全面的に違法だと言わなかったのは,彼らのうち何人かが,艦船あるいは砂漠の中の孤立した軍事目標に対する,爆発力の小さい核の使用であれば合法の可能性もあると考えたからである.もちろんこの留保はトライデントには当てはまらず,トライデントは明確に違法である.
トライデント・プラウシェアズの広報担当は次のように述べた.
「もし法廷が,トライデントに関する事実問題についての鑑定証人を受け入れる用意があるならばはるかにより満足すべきものであろう.プロッサー卿がまた聞きで鑑定証言を台無しにするのは全く不公平である.なぜポール・ロジャースでも誰でも法廷に直接呼ばないのだろうか?
他方,法廷に出された問題を適切に審議するには,初めに予定された5日間よりも長い期間が必要であるということが合意された.あすの日程の最後に,法廷は継続審議の日取りを決めるであろう.」