国立大学独法化阻止全国ネットワーク(代表 山住 正己)
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豊島 耕一(全国ネット事務局長,佐賀大学理工学部)
教育研究集会に集われた教職員の皆さまに敬意と連帯のご挨拶を申し上げます.
国立大学の「独立行政法人化」(独法化)問題について,参加者の皆さまにお訴えしたいことがあります.
国立大学を独法化する事とは,決して組織改革の問題でもなく,また名称のように政府から「独立」することでもありません.反対に,これまで法的根拠もなく行われてきた政府・文部科学省による大学支配に,これを一層強化する,明文化された法的基盤を与えるものに他なりません.
独立行政法人制度では,従来の組織が固有に持っていた「企画・立案」機能が切り離されてこれが中央官庁に移ります.大学はこの指示に従って計画を作り,大臣の認可を受けなければなりません.このような制度は「独立」とは正反対に,大学を政府の直接統制下に置くものです.これが学問の自由とそのための大学の自治を保障した憲法23条に,そして教育への「不当な支配」を禁止した教育基本法10条に反することは明かです.つまり,教育基本法改悪の先行実施と言っても過言ではありません.
すでに国立大学においても「日の丸」の押しつけが始まっていることを見れば,この制度を根拠に大学にまで「学習指導要領」が強制され,「教科書検定」まで行われるのではないかと想像することは,全く根拠のないこととはいえないでしょう.
このような官僚支配の制度化が大学における教育と研究を後退させ,また国の財政支援の低下が学費の上昇を引き起こす事は多くの人が指摘するとおりですが,問題はそれにとどまらず,この国の民主主義そのものを危うくするものです.このような重大さにもかかわらずこの問題への人々の関心はまだ十分ではありません.
残念ながら大学関係者の一部にはこれにはっきりと反対を表明することを避け,独法化を前提とした「改革」を口にする動きもあります.しかし国立大学は大学教職員だけのものではなく,学生はじめ国民全体のものです.その力で政府のこの無謀で無責任な政策を止めさせましょう.どうか「全国ネット」にご賛同,加入され,これからの世代が受け継ぐに価する大学システムを目指して,共に闘っていただくよう心から訴えます.(2002年1月9日)
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耕一
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