(組合,市民団体向け)

諸団体各位

「国立大学独法化阻止 全国ネットワーク(代表 山住正己)」事務局長

豊島 耕一            
(佐賀大学理工学部物理科学科教授)

拝啓

私は大学で物理学を教える一教員です.国立大学の「独立行政法人化」に反対する組織である「全国ネット」という組織の事務局長をしております.この問題で是非とも貴団体の力をお借りしたく,お手紙を差し上げます.

具体的にお願いしたいのは,次のことがらです.

  1. 機関紙,ホームページ等で独法化問題の真実を伝えていだだけませんか.又は,私たち全国ネットの意見の掲載・ホームページへのリンクをお願いします.(末尾に広告のサンプルを付けています.)
  2. 国会請願署名にご協力下さい.

現在,国立大学の「官僚と財界による乗っ取り」とも言うべき事態が進行しています.「官」が私学も含めて大学を格付けし,ランク上位に数億円ずつをバラまくという「トップ30」政策は有名です.これは大学の官僚依存をいっそう強めるでしょうが,それでもこれは一時の政策に過ぎません.より重大なのは,国立大学への「官」の支配を法律に明記してしまう大学の「独立行政法人」化です.これは決して一過性のものではなく,将来にわたって我が国の国立大学の文部科学省への従属性を決定づけてしまうものです.大学の自治も学問の自由も失われます.もちろん学生や一般市民の声を生かすような,真の大学改革への道も閉ざされます.

独立行政法人制度では,「官」,すなわち文部科学省が「中期目標」と称する命令を大学に与え,その達成度によって予算をコントロールし,さらには大臣が廃校の権限までも持つという,世界にも例を見ない,また戦前でさえ行われなかったような政府による一元的支配の制度です.「規制緩和」や「構造改革」のスローガンのもとで実はこのような正反対の事が計画されているのです.

これがもし実現してしまえば,自由な研究ができにくくなるだけではありません.大学にまで「教科書検定」や「学習指導要領」といった文部科学省による画一的な統制が行われる危険さえ生じます.実際「日の丸」の押しつけはすでに多くの国立大学で始まっているのです.

学問の自由に対する抑圧は決して大学だけの問題にとどまるものではなく,社会全体の抑圧につながり,民主主義を衰退させ,ひいては戦争への道にもつながりかねないことは,皆さまのご賢察のとおりです.その意味で,国立大学の独法化に反対する運動は全国民的な課題であること確信しております.

貴団体におかれましてもいくつもの重要な課題をお持ちのことと思います.世の中のあらゆる課題に取り組むことなどもちろん出来ません.しかし,国立大学をめぐる事態の国民的な重大性についてはご理解いただき,この問題の本質を会員の皆様方に,また廻りの方々にお知らせいただくことはお願いできるのではないかと思い,このようなお手紙を差し上げた次第です.ほとんどのマスメディアは残念ながら「政府公報」に終始し真実を伝えていないばかりか,独立行政法人化は既定事実であるという虚偽報道を繰り返して国民的議論が起きることを抑えてきました.残された時間は少なく,この際国民的議論が沸き上がる契機となるよう,どうしても貴団体のお力をお借りしたいのです.

より詳しい情報は,推進側,反対側のどちらもネットでほとんどすべて入手することができます.次のアドレスをご利用下さい.また,ご請求下さればご希望の資料を郵送いたします.

私ども「全国ネット」のホームページ
http://pegasus.phys.saga-u.ac.jp/znet.html
北大教授,辻下氏の独法化問題のページ
http://fcs.math.sci.hokudai.ac.jp/dgh/index.html
文部科学省のページ
http://www.mext.go.jp/


(掲載して頂きたい短い広告のサンプルです.)

文部科学大臣が国立大学を命令で動かし,言うことを聞かなければ廃校にもできる「独立行政法人化」(独法化)反対

独法化で国立大学に「学習指導要領」,教科書検定も.

独法化は教育基本法改悪の先行実施,憲法23条「学問の自由」保障の違反です.反対運動にご協力下さい.国会請願署名運動を実施中です.

国立大学独法化阻止全国ネット 代表 山住正己(元都立大総長)
http://pegasus.phys.saga-u.ac.jp/znet.html