内藤正光議員(民主党)
皆さんこんにちは、ご紹介いただきました私、民主党の内藤と申します。民主党の中で大学改革ワーキングチームというのを作っておりますが、そこの座長を務めさせていただいております。
それで、今日ですね最初ご紹介いただいた時はですね、反対する会ということで聞いたので、私は大変ちょっと出席するかどうか躊躇いたしました。しかし、賛成も反対も気にせずに幅広く議論をしていく場だという風に改めてご案内をいただきましたので、そういった立場で私共の考え方を申し述べさせていただきたいと思います。
まず、私共の基本的な認識と致しましては、これは国立大学、私学だとか関係なく、やはり今の日本の大学には改革が必要なんだという意識を持っております。例えばどういった点かと言いますと、よく大学には文部省に縛られること無く、真の自立性を与えるべきだ。そしてまた、社会との連携をもっと深めていくべきだ。そしてさらに言うならばもっと、内外の多元的な評価にさらされていくべきだ。こういったような観点で、やはり今の日本の大学は改革が必要だという風な認識を持って、実はこの二年間党内で勉強・検討を続けてまいったわけでございます。そしてご案内のように、今日から審議が始まるわけなんですが、閣法ですね、政府原案が出されたわけなんですが、幅広く内外の方にも意見を聞きながら私共の考え方をまとめてまいりました。
基本的なその政府原案に対する認識をまず申し上げさせていただきますと、本来大学の改革がどうあるべきか,五点あります。
まず一点目を申し上げるならば、大学の自立性を高めること。そして、さっきも申し上げましたが、多角的なそして複合的な評価、内外の評価にさらしてくべきだ。そういった観点で今回の法案は若干不充分ではないかという風な認識を一つ持っています。
そして二つ目の認識ですが、これはよく言われていることなんですが、一連の独立行政法人化という流れの中にこの大学の法人化が位置づけられていりゃあしない か、ということが二点目の認識でございます。
そして三点目の認識といたしましては、どうもなんか今回の閣法はですね経営のあり方という面にばかり重きが置かれているようなんですが、それはそれで一つ大事なことなんですが、本来、学術研究の社会的評価のあり方だとか、あるいはの科学研究費の配分の不公平さ、こういったものも実は見直していかなきゃいけないのに、果たして今回の閣法、十分ここまで踏み込みがなされているか、という風な問題意識を持っています。
そして四点目ですが、このままいくと大学の学部自治といって従来からあったものが、完全に失われ廃れてしまうのではないかというような懸念も持っております。
そして最後。四点目の基本的認識でございますが、これでは逆に文部科学省に権限強化をもたらしてしまうのではないか。
以上五点の認識で閣法に対応していきたいと考えています。ただここで強調しておきたいのは、だから反対だとかだから賛成だということではありません。私たちの基本的な対応策としましては、まず修正案を出します、修正案。この修正案を出して議論をしていく中で、そして最終的な態度を決めていく。これが現段階における、私共民主党のこの法案に対する姿勢でございます。
そしてこの修正案のポイントをかいつまんでいくつか申し上げたいと思いますが。主だったところだけを申し上げるならば、内部組織のあり方について、例えば監事の任命なんですが、文部科学省の役人の天下りに利用されないよう、学長と選考会議の申し出に基づいて、文部科学大臣がそれを認めるというようなかたちにすべきではないかと思っております。
そして、その次に文部科学省の管理について言うならば、中期目標だとか中期計画等々が文部大臣が手がけることになっているんですが、やはり大学の自立性を高めるという観点から言うならば、やはりこういったものは、国立大学法人自ら行うべきではないかと考えております。それでまた、中期計画については文部科学省の認可となっているんですが,届け出とすべきではないのか、と考えています。そしてまた、国立大学法人の出資規定なんですが、閣法はかなり狭くしてしまっています。国立大学における技術に関する研究の成果の活用を促進する事業に対してのみ出資が認められるということになっているのですが、そうではなくて、むしろもっと幅広く大学の業務の充実に資することであれば、もっと幅広く出資をさせていってもいいんじゃないか、例えば公開授業への出資だとか、学生の就学支援だとか、そういった大学の業務の拡充に資することであれば、もっと出資の範囲を広く認めていってもいいのではないか、そんな風に考えております。
そして三点目ですが、やはり大学の第三者評価ということでございます。正直に申し上げれば、閣法によれば評価機関はどれもみな文部科学省と関連のあるものばかりになってしまって、これだと私たちが主張する多元的な評価が本当に実現できるんだろうか、外部の評価があるんだろうかという懸念を抱いているわけです。そこでやはりもっと外部からの様々な形態の評価機関があってもいいじゃないか。やはり一元的な評価になってしまいますと、どこの大学も金太郎飴ということになってしまいますので。私たちが一番恐れているのは、ビジネス面からの観点だけで、評価されるということが一番まずいわけです。そういうことやると、インド哲学だとか、はっきり言えばあんまり、すぐには役には立ちそうに無いものが、どんどん淘汰されていってしまうというような・・・まぁインド哲学をやっていらっしゃる方には大変失礼なんですが。これは一つの例としてお受けとめいただきたいのですが。長期的に言って、要するに日本のためになるものをやはり大事にしていきたい。その為にはやはり評価は一元的であってはならない、多元的でなければならない、これは文部科学省のひも付きの調査機関であってはだめだいうことで、どういう風に考えておるかと言いますと、外部の第三者機関を育てていくために財政措置も含めた支援措置を講じていくべきと考えています。そしてまた国立大学法人評価委員会にはですね、自らが行う評価に対して第三者の行う評価も積極的にその評価の中に盛り込んでいくべきだ、そういった風のことを、修正案にしてこれから作り上げていきたいという風に考えております。それで再三繰り返しではございますが、そんな主旨にのっとった修正案を作り上げて、今日から始まる委員会審議の中でこれらが全部飲み込まれるか、あるいははじかれるか、どっちになるか分かりませんが、そういった審議の中で最終的に私共民主党のこの法案に対する対応を決めていきたい、判断していきたいと、そのことを申し上げて、大学改革ワーキングチームの座長・内藤としての表明を終わりたいと思います。ありがとうございました。
(司会)どうもありがとうございました。非常にポイントを突いたお話だったので、二、三簡単な質問だけ受け付けたいのですが。
(質問)今の話で公開されているものがあったら教えてください。今のご見解なり活動状況、現段階で公開されている内容があったら教えてください。
(内藤議員)あのー、一応さっき申し上げた内容はすべて昨日の我が党の最終政策決定機関、ネクストキャビネットというのがありますが、ネクストキャビネットでもって了承された内容でございます。ですが、これから(?)ホームページ等々で公開していく運びでいきたいと思っています。
(質問)これからですね。
(内藤議員)はい。
(質問)お話を伺いますと、大幅に変更しなければいけない、これは修正というよりは、これは全然別の法案という方がよろしいんじゃないかという印象を受けたんですけど。
(内藤議員)いや,あのー,ということは反対しろということ?(笑) 私共は繰り返しになるんですが、国立・私学に関係なく日本の大学というのはやはり改革していかなければいけない。そういう認識を持っています。ですから今回の、最初の動機は不純であるにせよ,これを契機に,本当に日本の大学は改革は待ったなしだという風に私たちは危機感を持っています。できるだけ理想の形に近いような改革を実現していきたいと、これを一つのきっかけとして、という風に考えております。