「法人化粉砕!10.18東大大集会」,「法人化反対全国総決起集会」へのメッセージ


東大集会にお集まりの皆様に心から敬意と連帯のあいさつを送ります.

「国立大学法人」とは,独立行政法人に「大学の特性に配慮する」というリップサービスを付け加えたものにすぎません.これで「独法化ではない」などと言うとしたら,そのような人を二度と学者と呼ぶことはできないでしょう.

教育は,「不当な支配」,つまり官僚支配を受けてはならないとする教育基本法10条で,行政からの独立性が保障されています.「中期目標」などという行政から大学への命令制度を認めるということは,これを真っ向から否定し,いわば教育機関を行政機関に変えるに等しいものです.司法に属する裁判所を行政権である警察の支配・命令下に置くなどと言えば,誰でもバカなことだと思うでしょう.それと本質的には同じであることを理解すべきです.

数年前はだれもが独法化が大学改革とは正反対だと批判していました.今起きている事態は「ウソも百編くり返せば本当になる」ということ,そのものです.そしてそれを可能にしているのは,大学関係者のカッコ付きの「かしこさ」です.つまり「もう勝負はついている,どう対応するか,あるいは少しでも害悪を少なくするかが問題だ」という態度そのものです.

しかし,国会に提出もされていないというのに,また与野党の多くが独法化への賛否を明らかにしてもいないというのに,どうして予言者のような事が言えるのでしょうか.つい先日,15日放映されたNHKの「プロジェクトx」で,中国の砂漠に三百万本の木を植えた老農学者の,「やってみなければわからない」という言葉をこそかみしめるべきではないでしょうか.

大学では今,組合系の人まで巻き込んで,この制度のもとで文科省への提出が求められる「中期目標」案などの作成作業がさかんに行われています.しかし法律の制定以前に作られたこのような文書が一体どのような効力を持つのでしょうか.この作業に参加した人は,それが無駄な作業とならないことを多少とも望むようになるでしょう.つまり,これは反対派を賛成派に部分的にでも変えていくための心理戦なのです.これを「民主的」に進めるということは,この不正な作業に多くの人を巻き込むということに他なりません

文部科学省のスケジュールにおいても,独法化の法律制定は来年春,そして施行は再来年の1月とされています.「中期目標」等の原案の策定作業をやるとしても,本来この期間にするべきものであり,またその期間に行ってこそ有効なものとなるでしょう.今やっておかなければ間に合わないのが阻止運動・反対運動であることは明かです.

あらゆる想像力と手段を駆使し,ガッツを持って,独法化阻止のために闘いましょう.

国立大学独法化阻止全国ネットワーク事務局長 豊島耕一