東北大学有朋寮の「廃寮決定」の白紙撤回および、明け渡し申し立ての取り下げを求める緊急アピール

 9月1日、有朋寮明け渡し裁判の判決を迎えるにあたり、私たちは寮生のたたき出しに反対し、以下アピールします。

 何よりも私たちは、有朋寮の「廃寮決定」の白紙撤回を求めます。

 有朋寮廃寮問題は大学側の「廃寮決定」の一方的通達から始まりました。大学側は決定時から今に至るまで、寮生・学生の声を全く聞き入れないばかりか、300人・団体をこえる「廃寮反対、新寮建設要求」アピールや学内3000筆を含む4500筆の廃寮反対署名にも一切応えていません。また、裁判では、大学側が「廃寮」の最大の理由としてきた老朽化について、一切根拠がないことが明らかとなりました。

 不況が深刻化し、学生寮の必要性はますます高まっています。東北大学は、一連の不誠実な態度を改め、根拠なき「廃寮決定」をただちに白紙撤回すべきです。

 さらに私たちは、法人化後の大学の現状を非常に危惧しています。有朋寮の廃寮決定こそが法人化で大学がどこに進むのかを示しているのではないでしょうか。

 すでに東北大学では、法人化のもとで、吉本学長はじめ執行部による専断と腐敗が横行し、学生教職員の声が一切大学の決定に反映されなくなっています。とりわけ、有朋寮入寮生へ2年半にもわたり停学処分が継続されていることは異常です。これらは大学の決定に従わせるための見せしめです。大学における民主主義の危機です。

 全国の大学でも同様の事態が起きています。東京都立大学は、学生教職員の意見を無視して廃止され、石原都知事の意に沿う「首都大学東京」がつくられました。また、学費値上げも学生を無視して行われています。

 大学改革での学生無視は、教育現場での「日の丸・君が代」強制や、教育改革論議における愛国心教育と相通じ、教育の国家統制として懸念される事態です。

 また私たちは仙台地裁に対し、9月1日の判決において、以上の事態を考慮して東北大学による明け渡し申し立てを棄却することを求めます。そもそも、廃寮を決定した当時の副学長など寮生側の証人申請を却下して、「廃寮決定」の是非について判断することは公平公正な裁判とは言えません。

 以上、私たちはこの問題の真の解決のために、東北大学が有朋寮の「廃寮決定」をただちに白紙に戻し、明け渡し申し立てを取り下げ、寮生・学生と真摯に話し合うように求めます。

2005年8月


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