「ラッセル・アインシュタイン宣言」50周年記念
ストーンウオーク佐賀交流会へのメッセージ

佐賀大学学長 長谷川照

 ストーンウオークの皆様に心から歓迎のご挨拶をお送りします.皆さんの,無名の戦争犠牲者を追悼し平和を祈るお気持ち,そのために重い碑石を長い距離を運ぶという志に,私もたいへん心を打たれております.とりわけ今回は,原爆被害60年を記念して,この日本の地で行進を実現された事にたいへん感銘を受けております.

 残念ながら世界から戦争がなくなるにはまだほど遠く,また核兵器の脅威も取り除かれていません.大学教育に関わる立場の者として,平和の増進の面で,教育の役割の重要さを強調したいと思います.ユネスコの数々の宣言を待つまでもなく,高等教育においてもこのことの重要性を再認識しなければなりません.

 また,人々の国境を越えた直接の交流も重要です.佐賀大学は幸いにして多くの国々から多数の留学生を迎えており,この重要な場を提供できていると自負しております.相互交流は互いの理解を深め平和の重要な礎となります.

 平和を作り上げて行く上で科学者の役割も重要です.本日の催しに,50年前の「ラッセル・アインシュタイン宣言」を想起させる表題を付けられたことは,このことを強調したいという実行委員会の配慮と拝察致します.

 本日の交流会のご盛会と,これからのまだ長い道程の安全と完遂をお祈りし,メッセージと致します.

2005年7月8日