To: "abolition-japan" <abolition-japan@list.jca.apc.org>

Date: Fri, 9 Apr 2004 11:37:53 +0900

ML参加者の小林です。

フランスの反核活動家の美帆・シボさんからのメールを転載します。

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フランスの美帆シボです。

 すでにテレビや新聞の報道でご存知だと思いますが、日本人三人がイラクで拘束さ

れました。その中の一人、今井君は高校を卒業したばかりです。彼は、湾岸戦争・イ

ラク戦争で使用された劣化ウラン弾によって、多くの罪のないイラクの子どもたち

が、小児癌や白血病に苦しんでいる状況に心を痛め、2度と劣化ウラン弾が使用され

ることがないようにと、劣化ウラン廃絶の活動を続けてきました。

 今井君は劣化ウラン被害の実態を1人でも多くの人々に伝えるために、イラクの子

どもたちの絵本を作成することを計画し、取材のためにイラクを訪問しました。劣化

ウラン反対キャンペーンの仲間であり、私もメーリング・リストで彼と情報交換をし

たことがあります。

 下記に今井君がイラクに入る前に送ってきたメール二回分をコピーします。

 彼も書いているように、日本には十分イラクの危うい情勢が伝わっていないように

思います。また、私が昨年日本に行ったおり、一般人と話してみると、自衛隊を送る

国にしてはあまりに国民が無反応だと感じました。それだけでなく、私がフランスに

住んでいると知ると、「フランスはアメリカにたてばかりついて」と非難がましいこ

とを言う人さえいました。

 とにかく、今井君のメールをご一読ください。そして、続いてコピーしました今井

君の仲間たちの呼びかけも周囲の方々にお伝えください。

4月6日

今井です。複数の方に送ります。

今、アンマンにいます。今、アンマンは午前10時半です。日本との時差は6時間

です。本来ならば、バグダッドについているはずだったのですが、高遠さんと話し

て、今日の夜に向かうことになりました。

理由はフォルージャでの米兵を引きづりまわしたり死体をつるし上げた事件で、バ

グダッドに入るルートが封鎖されているからです。なので、遠回りですが、迂回して

バグダッドに入ります。

実際、昨日の夜にアンマンについたのですが(日本時間では午前4時くらいになり

ます)、たどり着くまで大変でした。特にモスクワで非常に足止めをくらったり、み

んな英語がほとんど話せないし、かなり大変でした。

とりあえず、無事です。装備も盗まれてもいません。紛失もしていません。

今日の朝、起きた後にスウェーデン人の経済学の先生と話したのですが(お互いに

あまり英語が話せませんが、聞き取ることができたので会話になりました)、そのと

き自衛隊の派遣について聞かれました。特に印象的だったのが。「日本人は平和を愛

する民だろう?なのに、なんで派遣するんだ?スウェーデンは第二次世界大戦以降、

外国には派遣していないよ」といわれ、返す言葉はありませんでした。とりあえず。

今度スウェーデンにきてくれ、といわれたので、ビジネスカードを渡し、メールをす

る予定です。

また、モスクワの空港ではまったく英語が話せないウクライナに住み、バイカル湖

の近くに家族を持つアジア系の人に会いました。どうやら、エレクトロニックとかト

ルクメニスタンの大統領からもらった時計、そして自分で立てた発電所が描かれてい

るカードを持っていることから、建設関係か電気技術関係の方みたいです。その方

と、いろいとジェスチャーで話していたのですが、最後に時計を交換してくれ、とい

われ、トルクメニスタンの大統領からもらった?時計をくれました(顔写真入り)。

しかも、この人、これからバグダッドに行くみたい。受注されたのかな?

とにかく、いろいろなことがあって、話せば長くなります。明日はバグダッドに到

着予定です。どうやら、昨日のヨルダンタイムスを読む限り、バグダッド南西のナ

ジャフでスペイン兵が20人近く殺されたらしいですが、けっこう危険です。日本の

新聞で、あまり細かいところまでイラクのことは伝えていない気がしますが、現地の

新聞はけっこう伝えている気もします。あまりまだ、正確なことがいえませんが、情

報を捕らえながら行ってきます。

また、バグダッドのインターネットカフェで会いましょう。

今井紀明

今朝(午前3時ごろ)の今井君のメールです。

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 今井です。複数の方に送ります。

 本来は6時に出発ですが、10時に出発となりました。予想以上にまずい状況に

なっていることが伝わってきているので、非常に心配する面もありますが、安心する

側面もありますので、「あとは運次第」ということになり、行くことになりました。

 クリフホテルでフリーのカメラマンと仲良くなり、ちょうどバグダッド入りするの

で、高遠さんと3人で行くことになりました。クリフホテルでは偶然にも森沢典子

さんとも会い、今までずっと話していました。また、以前お世話になった古居みずえ

さんもアンマンにいることがわかり(みんなジャーナリストです)、ちょっとうれし

くなりました。

 とりあえず、明日の朝(日本時間で言えば正午以後)にはバグダッドに着くかと思

います。その後、JVCの原さんとマンスール病院やセントラル病院にいけるかもし

れません。とりあえず、原さんとは行動できるみたいです。

 写真についてですが、バグダッドで撮れるかめちゃくちゃ不安ですが、アンマンで

は多少写真は取りました。

 アンマンでメールをまた送るかとは思いませんでしたが、次はバグダッドで送りた

いと思います。無論、たどり着ければの話ですが、なぜか昨日からいきなり情勢が悪

化してきたので、多少不安があります。

 幸運を自分自身にも高遠さんにも一緒にいるフリーのカメラマンにも祈りたいで

す。

 ちょっと不安になってきた今井より

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今井君が同行している、高遠菜穂子さんの掲示板に

現地から、ときどき書き込みがあります。。

http://www.clubwee.com/bbs2/light.cgi

以下は4月9日に予定される記者会見とキャンドル・アクションのお知らせです。

今井君たち三人の方々の命を救うため、時間がありません。明日が「2日目」に

なってしまいます。

 明日、三人のご家族が上京されるそうです。首相官邸で総理大臣に要請するなどの

行動を組んでいく予定です。外務省にもいきます。

 このご家族の要請に呼応して、緊急に、明日の午後8時からキャンドル・アクショ

ンをすることになりました。是非たくさんの皆さん、首相官邸前をキャンドルで囲み

ましょう。緊急の呼びかけですが、1人でも多くの方に参加いただけることを心から

望みます。

 明日、午後8時に衆議院議員面会所に是非皆さん、お集まりください。「ヒバク

シャ」監督の鎌仲ひとみさんと柳田さん(たんぽぽ舎)がお待ちしています。キャン

ドルは用意しますが、是非持参いただける方はお願いします。是非たくさんの皆さ

ん、ご参加ください!!

 そのほか、一日の行動 

□ 午前 ご家族上京(未定)

□ 午前11:00から劣化ウラン廃絶キャンペーンと市民ネットワークの記者会見

を行います。

 時間は、午前11時〜(1時間)

 場所は国会議員会館のいずれか、または、弁護士会館、駄目ならたんぽぽ舎です。

  是非知り合いの記者の方にお声をかけて参加いただくように、お願いします。

□ 正午から1時までは、国会で以下の行動

■明日9日の昼 国会前にも集合します。

> 非戦闘地域は無くなった!自衛隊はイラクから撤退を、緊急議面集会&首相官邸抗

議行動

> 日時・4月9日(金)12:00〜13:00

> 場所・衆議院議員面会所(地下鉄国会議事堂前駅すぐ)

> 呼びかけ・WORLD PEACE NOWの参加団体有志

6:30頃から陸海空20労組の集会 日比谷公園

 です。そこから、キャンドルアクションに流れてください。

 是非是非、よろしくお願いします。

Help URL : http://help.yahoo.co.jp/help/jp/groups/

Group URL : http://www.egroups.co.jp/group/noduproject/

Group Owner: mailto:noduproject-owner@egroups.co.jp

以下は劣化ウラン反対キャンペーンの今井君の仲間たちによる声明です。

声   明

 本日、劣化ウラン廃絶キャンペーンのメンバーであり、NO小型核兵器(DU)

サッポロプロジェクトの代表でもある、今井紀明さん(18歳)がイラクにおいて、

邦人2名とともに武装勢力に身柄拘束されました。

 犯人グループは「3日以内に自衛隊が撤退しなければ3人を殺害する」旨声明を発

表しています。

 今井さんは、湾岸戦争・イラク戦争で使用された劣化ウラン弾によって、多くの罪

のないイラクの子どもたちが、小児癌や白血病に苦しんでいる状況に心を痛め、2度

と劣化ウラン弾が使用されることがないようにと、劣化ウラン廃絶の活動を続けてき

ました。

 彼はイラク戦争にも自衛隊派遣にも反対しています。彼は、劣化ウラン被害の実態

を1人でも多くの人々に伝えるために、イラクの子どもたちの絵本を作成することを

計画し、取材のためにイラクを訪問しました。

 このような無辜の民間人を日本政府が見殺しにすることは決してあってはなりませ

ん。日本政府は、人命の尊重こそを第一に考えてください。自衛隊のイラク派兵に

よって民間人を犠牲にするようなことは絶対に許されません。

イラクに今必要なのは増えつづける劣化ウラン弾などの被害者への医療支援であり軍

隊の派遣ではありません。

今、戦闘が激化する同様の身柄拘束が続発する可能性すらあります。市民によるイラ

ク支援の活動があきらかに阻害されています。

 サマワの自衛隊基地の近くに砲弾が打ち込まれるなど、サマワも含めたイラク全土

が戦闘地域になっている今、「戦闘地域に派遣しない」という派遣の前提は大きく崩

れています。自衛隊の速やかな撤退は、一部グループのみならず、イラク国民の共通

願いです。

 私たちは、日本政府が自衛隊を即時撤退させ、今井君をはじめ3人の人質を一刻も

早く無事に解放させるために全力を尽くすことを求めます。

               

2004年4月8日

劣化ウラン廃絶キャンペーン

      劣化ウラン兵器禁止市民ネットワーク

 NO DU(劣化ウラン弾禁止)ヒロシマ・プロジェクト

 NO小型核兵器(DU)サッポロプロジェクト

      ほっかいどうピースネット