日本学術会議発足に当たっての声明

1949年1月

 われわれは、ここに人文科学及び自然科学のあらゆる分野にわたる全国の科学者のうちから選ばれた会員をもって組織する日本学術会議の成立を公表することができるのをよろこぶ。そしてこの機会に、われわれは、これまでわが国の科学者がとりきたった態度について強く反省し、今後は、科学が文化国家ないし平和国家の基礎であるという確信の下に、わが国の平和的復興と人類の福祉増進のために貢献せんことを誓うものである。そもそも本会議は、わが国の科学者の内外に対する代表機関として、科学の向上発達を図り、行政、産業及び国民生活に科学を反映浸透させることを目的とするものであって、学問の全面にわたりそのになう責務はまことに重大である。されば、われわれは、日本国憲法の保証する思想と良心の自由、学問の自由、及び言論の自由を確保するとともに、科学者の総意の下に、人類の平和のためあまねく世界の学会と提携して、学術のシンポに寄与するよう万全の努力を傾注すべきことを期する。
 ここに本会議の発足に当たってわれわれの決意を表明する次第である。



関連文書:戦争のための科学に従わない声明 (1950年)

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