政府主催の大学レース

文部科学省の「大学の構造改革の方針」について

もはや「キャッチフレーズ」を並べることが最大の仕事になったかに見える文部科学省ですが,その面目躍如と言うべきか「構造改革プラン」なるパンフレットを出し,その中で「民営化」を含む大学間競争路線を打ち出しました(下記ウェブサイト参照).これに対して「もはや独法化などを議論している場合ではない」などと,一種の「ショック症状」を示す人も見られますがが,しかし独法化が撤回されたわけではないということを忘れてはいけません.むしろこの文書は独法化の本質を解説・明示したものと言うべきでしょう.この文部科学省の新政策への批判・対抗はもちろん重要ですが,同時にこれを独法化問題に対する思考停止のイデオロギー装置にさせないよう留意すべきです.

また,この新政策は「国公私立を問わず」すべての大学に "政府主催の大学レース" への参加を強制しているので,「国公私立を問わず」すべての大学人が連帯する基盤も生まれたことを意味します.(2001.6.14)

http://www5.cao.go.jp/shimon/2001/0611/item4.pdf
http://www.geocities.co.jp/CollegeLife-Cafe/3141/dgh/01/611-mext.html



追記:独法化を受け入れれば,この新しい「構造改革」が緩和されるわけではありません.その逆でしょう.ところで,いつの間に国立大学が「無駄な公共事業」になったのでしょうか.(2001.6.16)