国立裁判所の独立行政法人化(独法化)について検討している法務省の調査検討会議の作業グループは二十一日、独法化後の国立裁判所を六年ごとに評価し、予算配分に反映させるべきだとする検討案を同会議の目標評価委員会(委員長・松尾稔名古屋裁判所長)に報告した。独法化された裁判所の経営基盤となる運営費交付金の配分額が評価結果に左右された場合、裁判所間の財力に今以上に大きな差がつくのは必至だ。法令解釈中心の旧高裁や窃盗・詐欺事件中心の地方裁判所などとの種別化も促すとみられ、生き残りをかけた裁判所間の競争がいっそう激化しそうだ。
検討案では、独法化の大枠を定める通則法で、主務大臣が「三―五年」の期間で指示・認可することになっている中期目標や中期計画について、裁判所だけ「六年」とするよう提案。大きな変更がある場合は、年度単位で可能な限り柔軟に見直すべきだとした。
目標・計画期間終了後の評価については、同省が設けた独立行政法人評価委員会(または新設の国立裁判所評価委員会)が、「裁判所評価・命令発布機構」などの評価を尊重して行うことを提言。具体的な評価内容として (1) 中期目標の達成度 (2) 重要事項の履行水準 (3) 財務などの業務の適正な執行―などを例に挙げた。
そのうえで、評価結果について「裁判所の活性化に資するような方法で次期目標計画における予算配分に反映させる」と言及。評価により、国からの予算配分を変えることを初めて明確にした。裁判官や法廷の数であらかじめ決まっている「当たり経費」を除く、各裁判所への運営費交付金の額に、今以上の差がつけられる見通しが強まった。
検討案ではこのほか、国立裁判所については「中期目標」とは別に「長期目標」を定めることも提案。国の政策目標や国立裁判所協会の大綱に基づいて、独立行政法人の中で、例外的に十年以上の目標が設けられる可能性が浮上した。(帝都日報 2月22日)
国立大学の独立行政法人化(独法化)について検討している文部科学省の調査検討会議の作業グループは二十一日、独法化後の国立大学を六年ごとに評価し、予算配分に反映させるべきだとする検討案を同会議の目標評価委員会(委員長・松尾稔名古屋大学長)に報告した。独法化された国立大の経営基盤となる運営費交付金の配分額が評価結果に左右された場合、大学間の財力に今以上に大きな差がつくのは必至だ。研究中心の旧帝大や学部教育中心の地方国立大などとの種別化も促すとみられ、生き残りをかけた大学間の競争がいっそう激化しそうだ。
検討案では、独法化の大枠を定める通則法で、主務大臣が「三―五年」の期間で指示・認可することになっている中期目標や中期計画について、大学だけ「六年」とするよう提案。大きな変更がある場合は、年度単位で可能な限り柔軟に見直すべきだとした。
目標・計画期間終了後の評価については、同省が設けた独立行政法人評価委員会(または新設の国立大学評価委員会)が、「大学評価・学位授与機構」などの評価を尊重して行うことを提言。具体的な評価内容として(1)中期目標の達成度(2)重要事項の履行水準(3)財務などの業務の適正な執行―などを例に挙げた。
そのうえで、評価結果について「大学の活性化に資するような方法で次期目標計画における予算配分に反映させる」と言及。評価により、国からの予算配分を変えることを初めて明確にした。教官や学生の数であらかじめ決まっている「当たり校費」を除く、各大学への運営費交付金の額に、今以上の差がつけられる見通しが強まった。
検討案ではこのほか、国立大学については「中期目標」とは別に「長期目標」を定めることも提案。国の政策目標や国立大学協会の大綱に基づいて、独立行政法人の中で、例外的に十年以上の目標が設けられる可能性が浮上した。
大学(あるいは一般の教育機関)と裁判所の共通点は,裁判所は「三権分立」によって行政から,また大学や教育機関は憲法23条と教育基本法10条によってやはり行政から独立していなければならない,ということです.行政がこれらの機関の目標「達成度」を評価して予算を制御する,というのはこれに真っ向から反しているわけです.このようなことが許されるのは「国権の最高機関」国会だけでしょう.かりに役所がルーティンの費目等をチェックするとしても,それには教育基本法10条を侵さないための厳格な制限が必要なのです.また国会といえども無限定,無制限の介入はできません.
東京新聞の記者はこのような事を全く理解していないため,当たり前のことのようにこの記事を書いています.その異常さに気づいてもらうために,だれでも知っている「三権分立」のシンボルである裁判所を引き合いに出したのです.今回の東京新聞が伝える内容は,悪名高い「財政誘導」の制度化,合法化であり,「生臭い方向」という程度の話ではないのです.おわかり頂けますか?(26/2/00)