Date: Mon, 7 Jul 2003 13:21:33 +0900
From: toyo@cc.saga-u.ac.jp (TOYOSHIMA Kouichi)
Subject: [reform:04878] 遠山大臣の「資質」問題
佐賀大学 豊島耕一
遠山文部科学大臣の国会での答弁はあまりにも紋切り型で,質問に対する的確な答弁はほとんど見られず,はぐらかしに終始し誠実さが少しも感じられない.それだけではなく,「中期目標」指示問題での虚偽答弁や,民主党櫻井議員に対する「差し替えで出てきた」という発言など,国会に対する不誠実さ,議員と質問に対する冒涜と言える態度が見られる.[1]
大臣としての資質が問われる問題はほかにもある.遠山氏は大臣の肩書きのまま,大企業のコマーシャルに出演している.それも,文部科学省と深い関係にある大企業である.02年5月19日の朝日新聞の全面広告に,ドコモAOL社長との対談の形式で,遠山文部科学大臣が大きな写真入りで登場している.現職の大臣が特定企業,それも大企業のコマーシャルに出演した例があるだろうか.国家公務員法96条は,全体の奉仕者,公共の利益のための勤務を定めているが,これとの関係で問題が残る.国土交通大臣が大成建設のテレビコマーシャルに出演するという事を想像してもらいたい.公務員の公正・公平性に背くものとして,大変な非難を浴びるのではないだろうか.新聞のコマーシャルも何ら違いはない.[2]
出演にあたって特別な利益供与などの約束はなかったと信じるが,そうだとしても問題は残る.すなわち「李下に冠を正さず」ということは公権力を行使する立場の人間にとっては必須事項である.遠山大臣のコマーシャル出演は著しくこの認識を欠いたものと言わざるを得ない.もちろん特定企業の利益に奉仕したことは間違いなく,国家公務員法96条の精神に反する行為と言わなければならない.(2003.7.7)
[1] 櫻井議員に対する暴言を問題にした民主党菅 直人代表の記者会見内容
http://www.eda-jp.com/dpj/kan/030701.html
[2] この問題についての私のコメントは次をご覧下さい.
http://www.geocities.jp/chikushijiro2002/UniversityIssues/commercial.html