佐賀大学の豊島です.2点について問題提起したいと思います.

1.文部科学省が国立大学に法に基づかない指令を出した問題

 国立大法人評価委が,大学が提出した中期目標案の修正を求めた問題が放置され
ているように思います(1).国会の付帯決議は,大学の案を文部科学省が尊重する
ことを求めており,その大学の案自体に文部科学省(評価委)が事前に介入する根
拠はどこにもありません.こんなことをやれば「尊重」しなければならないはずの
「原案」を文部科学省がどうにでも操作出来るわけで,付帯決議のあからさまな否
定です.それとも,こんなことを可能にするような,つまり付帯決議無視の政令が
作られてしまったのでしょうか?

 国立大学と文部科学省との関係は,教育機関と行政との関係ですから,憲法や教
育基本法(特にその10条)に則って行われなければならず,特に行政から大学へ
の作用には厳格な法的根拠が必要です.このことに大学人もまた 評価委の野依氏も,
あまりにも無自覚であるように思えます.すでに先月「各大学に通知」されたと思
われる,この法に基づかない文部科学省の指令を取り消させることが重要だと思い
ます.


2.運営交付金定律削減を国大協は認めたのか?

 運営交付金の毎年定率の減額案について,「学長指名拒否も辞せず」と言ってい
た国大協は,振り上げた拳を一体どこに隠したのでしょうか.2%が1%になったこ
とで容認したのでしょうか.これについての全大教の談話も,「粘り強い取り組み
を進める」というような締めくくりかたで(2),これを撤回させることを目標にした
具体的な行動提案はないようです.この問題は組合よりむしろ各大学の教授会や評
議会が声を上げるべきではないでしょうか.

(1) 中期目標の修正を、国立大法人評価委が意見,日経新聞1月27日
 http://ha4.seikyou.ne.jp/home/kinkyo/20040100.htm#1/28_1
(2) 運営費交付金算定ルールの基本確定に際して(談話)(2/16)
 http://ha4.seikyou.ne.jp/home/kinkyo/index.htm#2/16_4

なお,先日の投稿[he-forum 6683]はタイトルも「『臆病度』の自己点検が必要」
と改め,わずかな加筆修正をして次に掲示しています.
http://www.geocities.jp/chikushijiro2002/UniversityIssues/shugyokisoku3.html

840-8502 佐賀市本庄町1
佐賀大学理工学部  豊島耕一
http://pegasus.phys.saga-u.ac.jp
職場電話/ファクス 0952-28-8845