PAC3の久留米市配備へのPNETの抗議声明

 

抗議声明

PAC3の久留米市への配備に抗議し、危険な宇宙戦争マシン撤去のため市民が立ち上がることを訴える

 

      豊島耕一

   (「はばもうPAC3 活かそう9条 九州ネットワーク」世話人、

     久留米市在住、佐賀大学教授)

 

 本日2月24日、久留米市の高良台に、PAC3がこっそりと配備された。本日はまた、われわれ「はばもうPAC3 活かそう9条 九州ネットワーク」が久留米市長に提出した公開質問状に対し、市側が回答を延期し、この日に回答すると知らせたまさにその日である。配備の日程を知っていながら、まさにその日に「日程を公表しない」と回答した。この点では実質的な回答拒否となった。

 

 高良台へのPAC3配備は、かつて「スターウオーズ」と呼ばれた宇宙への軍拡の一環であり、久留米市をその一拠点にすることにほかならない。これを久留米市が許すことは、みずからが制定した「核兵器廃絶平和都市宣言」に反するものである。

 

 本日われわれに届いた市長からの回答は事務的と言えるような内容で、大いに失望する。要するに国のやることに口出しはしない、国の指示どおりにやる、というもので、問題の内容についての言及は一切ない。これでは自治体の長としての責務を放棄しているに等しい。

 

 ノーベル賞物理学者の益川敏英氏、米国の平和運動家ブルース・ギャグノン氏を始め、内外から市長に寄せられた幾多のメッセージが吟味された形跡も、文面からは全く見られない。

 

 今回市長に寄せられた韓国の人々からのメッセージにもあるように、地域の緊張を高めることなしに軍事力を拡大することは不可能である。しかも在日米軍や、「敵地攻撃」能力までも持とうとしている自衛隊という、全体として圧倒的な攻撃力と組み合わされた「ミサイル防衛」であれば、周辺国が脅威に感じるのは容易に想像できる。

 

 PAC3の射程内に都合よく飛んで来たミサイルは落とせるかも知れない、ということだけでこれを容認するのか、それとも北東アジア全体の緊張緩和、信頼醸成という道すじを重視して地域の平和を展望するのか、久留米市民、福岡県民には、戦争と平和についての判断が身近な問題として求められている。それは地域の問題であると同時に、地域を超えた想像力を求められる問題である。市民各位、県民各位の英知と行動を結集しよう。

 

印刷用 →報道:西日本25日 →報道:毎日26日

 

「はばもうPAC3 活かそう9条 九州ネットワーク」の英語名

Kyushu Network of Anti-PAC3 and Pro-Article 9 Movements (P-NET)