スコットランドCNDニュース
2002年4月4日

米国の新核兵器計画の危険性

最近の「核政策見直し」は米国が新型の核兵器、すなわち小型核兵器と掩蔽壕の破壊をめざす兵器の開発を目指していると述べている。

小型核兵器(ミニニューク)はこれまで特に危険であると認識されてきた。米国の1994年の法律は、低威力核兵器は通常兵器による戦争と核戦争の境界を曖昧にするという理由で5キロトン以下の威力をもつ兵器の開発を禁じている。

掩蔽壕破壊兵器は二つの意味で問題がある:

 第一に、このように爆発させられるどんな兵器も非常に大量の放射性降下物(フォールアウト)を生じる。核兵器が空中爆発させられるときには、フォールアウトはより少ない。爆発の際に発生する火の玉が地表に触れるときには、大量の放射性の塵が空中に舞い上がり、分散する。だから提案されている新兵器は同等の威力をもつ現在の核兵器よりもはるかに大量のフォールアウトを生み出すであろう。理論的には、兵器が地下600フィート(約231メートル)まで貫通すればフォールアウトは地中に封じ込められるが、この深さまで掘り進む兵器は不可能である。

 第二に、米国は新型核兵器の開発のための核実験を実施しそうだということである。1997年に、米国は核実験なしに、現在保有している弾頭を使用するB61-11地中貫通爆弾を開発した。しかし、B61-11の有効性は限られている。4万フィート(約12352メートル)から投下されて乾燥土壌の20フィート(約6.2メートル)しか貫通できないことが判明した。これまでのどのような弾頭デザインも、より深くもぐり込むのに必要な速度での衝突の衝撃に耐えられるということはありそうもない。「核政策見直し」はこのことをほのめかして、新型兵器の開発のためには核実験を実行する必要があるかもしれないと述べている。

このことについてのより詳細な情報は、アメリカ科学者連盟の「低威力地中貫通兵器についての報告書」から入手可能。(O)

(原典)
http://www.banthebomb.org/news/2002/Apr/020404a.htm
関連文書
http://www.fas.org/faspir/2001/v54n1/v54n1.pdf