しんぶん赤旗1999年10月24日
英地裁 核兵器の違法性強調
施設侵入 反核活動家に無罪
【ロンドン22日田中靖宏記者】スコットランド西部にある核ミサイル原潜の試験施設に侵入し艦艇に被害を与えたとして収監されていた三人の女性反核活動家にたいし、同地の裁判所は二十一日、違法な核兵器に反対する活動家の行為は正当との判断を示し、即時釈放を命じました。
三人に無罪を言い渡したのはグリンノックの地方裁判所。陪審にたいする説明のなかでギンブレット判事は、一九九六年の国際司法裁判所の判決などをもとに核兵器の使用と威嚇の連法性を強調。核兵器の使用を中止させようとする二人の行為は正当化されるとのべました。
トライデント原潜に反対する三人はさる六月八日、近くのロックゴイル基地に係留されていたトライデント原潜の音波実験船に侵入、コンピューターを海に捨てるなどして拘束され起訴されました。
三人が参加する現地の反核組織「トライデント除去」運動は、核兵器の連法を訴えて裁判闘争にとりくんできました。ギンブレット判事は弁護側の主張をほぼ全面的にみとめ、英政府が核ミサイル原潜を配備して使用する態勢をとって他国に脅威を与えていることを国際法と慣習法の侵害と強調しました。
釈放されたアンジェラ・マギーさん(四八)らは「収監中も核兵器の違法をどう訴えるかを考えました。世界から核兵器をなくすまで活動を続けます」と語りました。英核軍縮運動(CND)のナイト議長は「国際司法裁の判決に継ぐ画期的な出来事」と評価しました。
[転載者注]「アンジェラ・マギーさん」ではなく「アンジェラ・ゼルターさん」