共同通信
【ロンドン21日共同】英国北部のグリノック州裁判所は二十一日、今年六月にスコットランドにある英国防省の研究機関に侵入、原子力潜水艦関連施設を破壊したとして起訴されていた女性被告三人に対し、「核兵器は国際法では違法であり、被告には施設を武装解除する権利がある」として、無罪判決を言い渡した。逮捕、拘留されていた三人は釈放された。
三人は、反核団体「トライデント・プラウシェア2000」のメンバーである英国とデンマークの女性。
六月八日夜、スコットランドのゴイル湖にある同省の防衛評価研究機関に侵入、約三時間かけて湖上に浮かぶ実験室内の原潜関連機材を破壊、逮捕された。
英PA通信によると、裁判で弁護側は、国際司法裁判所が、一九九六年に原潜発射弾道ミサイル、トライデントやすべての核兵器は国際法上違法であるとの判断を示したと主張し、三人の破壊行為は適法であると訴えた。判事はこれを受け入れ、「違法な行為を是正するためには違法な行動が許されることもある」というスコットランドの法律に基づき無罪とした。