アボリション2000の昨年の成績表日本語版をお送りします。これは世界的な核廃絶が度の程度進展しているか、毎年評価したもので、著者の翻訳許可も得てあるものです。ホームページなどに掲載して広めていただけるなら、Emailでもお送りします。
また、ハードコピーも印刷しておりますので、1部300円(送料込み)でお願いします。
アボリション2000グローバル評議員 大庭里美
FEED THE WOLF
A Rough Guide To Global Security
Ablition 2000 Report Card
United Nations Day
October 24, 2001
2001年核廃絶への進展はゼロ
しかし、暗闇の中でこそ真実は見え始める _訳者前書き
アボリション2000は、1995年ニューヨークでの核拡散防止条約(NPT)延長会議を契機に発足した、インターネットを通じた地球市民による核廃絶のネットワークである。世界で93カ国2030、日本からは約50の組織、グループが賛同しており、設立時の11項目からなる宣言と97年フランス領ポリネシア、テ・アオ・マオヒで採択された『モオレア宣言』にもとづき、核廃絶に向けて各地で独創的・建設的な活動を展開している。具体的には、各国からの調整委員とグローバル評議員によって運営されている。
毎年世界のどこかで総会が開催されている。パメラ・マイデル(米国)とジャネット・ブルームフィールド(英国)の二人によって、毎年の核廃絶への進展度評価がまとめられレポートカード(成績表)として発表され、2000年11月長崎総会の際は120点中20点であったが、昨年2001年は、120点中0点となった。「オオカミにえさを」(Feed the Wolf) と題した深い考察を含む序文は、たいへん長いため、ここでは翻訳を省略させていただいていることをお許しいただきたい。時間が許せば、なるべく早く翻訳したいと考えている。
日本で注目すべきは、第5項目であろう。一般にアボリション2000は核兵器廃絶のみを目指していると誤解される場合が多いが、核エネルギーから脱して持続可能なエネルギーをも目指している。この数年間の成績表の中で、日本のプルトニウム輸送や、MOX計画は大きなマイナス要因となっている。
2001年成績表の日本語訳発表が大変遅れたことをお詫びもうしあげるとともに、これが日本の市民の間で論議され、利用されることを望んでいる。
文末にあるのは、昨年5月英国のサフロン・ウォルデンで開催された総会での宣言である。ともに活用していただきたい。
___訳者、アボリション2000グローバル評議員 大庭里美
核兵器廃絶に向けてのこの1年のあゆみ
アボリション2000 2001年成績表 _2001年10月24日
日本語訳
得点はさらに減少している。私たちはここに心からの願いをこめて再度発行する。
進展評価総得点: 120点中0点
いくつかの明るい光を除いて、今年は実質的に核兵器のない世界への進展はなかった。さまざまな場面で、世界は危険な逆行に陥った。以下に列挙するのは、1995年核拡散防止条約(NPT)再検討会議に際して、希望に満ちて書かれた最初のアボリション2000声明と、1997年ポリネシア住民マオヒの故郷の島で採択されたモオレア宣言からの抜粋である。これまでの成績表では、それぞれの項目についての報告を盛り込み、そのあとに1点から10点までの点数で表し、全体では120点となることになっていた。このようにして、毎年成績表を作成することで、声明の11項目およびモオレア宣言の文言と精神がどれだけ実現されてきたか、1年間の進展度に関する簡単な評価を行って来た。今年はどの項目の点数もゼロである。以下の私たちの評価は、非常に暗いものであるが、それでもちらりと明るい光が見える箇所もある。展望はかすもうとしているが、「暗闇の中でこそ、ものが見え始める」という詩人テオドール・レスケの言葉を心に刻む。
1997年、国連討議資料として条約草案が採択され、昨年核保有国がNPT第6条の実施について「明確な約束」をしたにもかかわらず、この緊急の作業を完遂しようとする国が一つとしてないことは明白である。これは世界にとってあまりにもひどいことだ。今や可能性という窓はひびわれほどに狭まっており、私たちは核兵器撤廃条約実現への道筋について考え直す必要がある。
評点:10点中0点
2.いかなる場合でも、核兵器の使用あるいは、使用の意図をもって威嚇をしないことを、ただちに、無条件に誓約すること。
9月11日の攻撃後、NATOはその創設以来歴史上初めて、創設憲章第5条(一国への攻撃は、すべての加盟国への攻撃であるとみなし、個別あるいは集団的自衛権の発動を可能とするとされている)を発動し、それに沿って国連に伝えた。
評点:10点中0点
3. しきい値をゼロに定め、すべての国の核兵器開発禁止という目的を明記した、真に包括的な核実験禁止条約(CTBT)を速やかに締結すること。
仮に一つの進展があったとしても、それはファウストの取引であり、中国がアメリカの1972年の対弾道ミサイル制限条約(ABM条約)からの離脱に反対しないなら、アメリカは中国の地下核実験再開に異義を唱えないだろうということを示唆した。その一方、アメリカ自身もネバダでの全面的地下核実験の準備を進めている。1年間を通じて、世界各地の核実験場で未臨界核実験が続けられ、9月26日にはネバダ核実験場でも実施された。
評点:10点中0点
4. 核兵器の新規または追加生産や配備を中止し、すでに配備されている核兵器撤去と、不能にする作業を開始すること。
さまざまな規模(本土、地域、戦域)のミサイル防衛計画は継続され、ABM条約は風前の灯となり、米ブッシュ新政権の一国主義を強化している。トライデント原子力潜水艦は世界の海を徘徊し、アメリカ型では、ミサイル能力を強化した。アジア亜大陸においては、インドとパキスタンは核兵器運搬システムの開発を続行し、そのことはとりわけパキスタンとの関係において、現在の危機的状況に関連し、世界的な憂慮を深める原因となっている。
評点:10点中0点
5. 核兵器に使用可能なすべての放射性物質の、軍事および商業利用と、再処理を禁止すること。
放射性物質と廃棄物の輸送と貯蔵は、この問題を考える者すべてにとって、相変わらず災厄となっている。それなのになおも、新たな副大統領にしてエネルギー皇帝のディック・チェイニーは、核エネルギーが米国のエネルギー問題解決になるだろうと発表した。南カリフォルニア知事ジム・ホッジスは、10月開始と予想される連邦政府によるドラム缶2000本のプルトニウムの輸送を止めるために、州警察官およびその他の安全問題従事者の訓練を命じた。2001年10月4日、英国政府は4億7千2百万万ポンドをかけたセラフィールドMOX工場の稼動を許可した。危険を冒し、テロに遭遇する可能性のある中で、ヨーロッパから日本へ核物質を満載した船が地球をぐるりとまわることになるのである。
評点:10点中0点
6. すべての国の、核兵器使用可能なすべての放射性物質と核施設を、国際的な計量、監視、保障措置のもとにおき、核兵器使用可能なすべての放射性物質の公的な国際登録を確立すること。
進展はまったくない。しかし、世界の核物質の量と所在をすべて確認することはこれまで以上重要である。
評点:10点中0点
7.非核の流体力学爆発、コンピュータ・シミュレーションなど(それに限らず)研究室の実験による核兵器の研究、設計、開発、実験を禁止し、すべての核兵器研究所を国際監視のもとにおき、すべての核実験場を閉鎖すること。
アメリカの宇宙支配をめざす技術開発は、進行中の核兵器研究開発と絡み合って、速やかに進められている。資金は冷戦時代のレベルより急速に膨れ上がり、アメリカの核兵器研究所は、低出力地中貫通型爆弾を含む、より実用的な核兵器の研究を継続している。
評点:10点中0点
8. トラテロルコ条約やラロトンガ条約によって創設されたような非核兵器地帯をさらに増やすこと。
アオテアロア・ニュージーランドは、今もこの理想を追求し、非核海域を200マイル排他的経済水域にまで拡大しようとしている。それ以外の進展はなし。
評点:10点中0点
9. 核兵器の使用と使用の威嚇が違法であることを認識し、これを公に、また国際司法裁判所において宣言すること。
スコットランドファスレーンにある英トライデント潜水艦基地を焦点にしたトライデント・プラウシェア2000の活動家たちは、基地封鎖によって国際法を守ろうとする活動を継続している。すべての国際法擁護と、私たちの国内での行動をその意味において理解する必要性は、日ごとに絶対的に必要となってきている。残念なことに、司法機関の中にはこの道筋の有効性を理解しようとしないものもある。1999年10月、3名のトライデント・プラウシェア2000活動家が核兵器廃絶の非暴力直接行動に対して、グリーノック地方裁判所でマーガレット・ギムブレット裁判長から無罪を言い渡された。法務長官はこの件についてスコットランド高等裁判所に照会し、2000年11月と12月2週間にわたり、英国核兵器の合法性に関する主張をも含めたヒアリングが実施された。2001年3月エディンバラ高裁は、トライデントは合法であるという判決を下したにもかかわらず、運動は続いている。
評点:10点中0点
10. 持続可能で環境に安全なエネルギー源の開発を推進し、支援する国際エネルギー機関を設立すること。
地球は温暖化し続け、核産業は原子力発電所をさらに増やそうと推進し続けている。カリフォルニアでの擬似エネルギー危機をきっかけに、人々の自覚が高まり、地域別電力会社の設立を真剣に考え、再生可能エネルギーの採用に向けて動きはじめている。エネルギーのための石油に依存する過度に発展した世界は、ますます脆弱で、政治的に悩みの多いものとなり、地球規模の持続可能エネルギー源の必要性をあらためて強調することとなっている。アメリカの市民グループは、全米持続可能エネルギー条例の制定を要求している。
評点:10点中0点
11. 核兵器廃絶へのプロセスの立案や監視に、市民やNGOが参加することを保証する機構を創立すること。
政府に説明責任を求める普通の市民の力は、これまでになく明確で、また緊急のものになっている。トライデント・プラウシェア2000の運動は、「世界を核兵器から解放するための,一貫性を持ち,透明性がある非暴力直接行動の一つのお手本」として「民衆のノーベル賞」と呼ばれるライトライブリフッド賞を受賞し、私たちすべてに希望を与え、全ヨーロッパとアメリカの核基地で非暴力直接行動を続ける何百人に勇気を与えた。国際司法裁判所(ICJ)勧告的意見に基づいて開始された核施設への非暴力の市民による査察は、核政策の決定にあたって、そして世界中の核兵器製造施設で継続されている。9月8日、グリーナムコモン基地の歴史的占拠から20周年の日、グリーナムコモンの女たちと友人たちは、解体された核基地を彫刻庭園と噴水にするための起工式を行ない、変化は可能だということを示した。
評点:10点中0点
モオレア宣言より:植民地にされた人々の怒りと涙は、核時代のそもそもの始まりの時点から、核の生産のために、かれらの土地、大気、および海が奪取されたとき、何の相談もなく、合意も求められず、そして決定に関与させられなかったという事実から発している。植民地支配の下の人々と先住民族の大部分は、この核による荒廃の矢面に立たされてきた...私たちは再度確認する...先住民族と植民地支配された人々こそ、核兵器生産のサイクルに関する決定において、そして特に核兵器廃絶のすべての面にわたって、中心的存在として尊重されなければならない。奪うことのできない自決権、主権、および独立は、この惑星から永遠に核兵器を追放する共通の闘いに、全世界の人々が参加できるために、不可欠である。
フランス領ポリネシアでの第1回大気圏内核実験から35周年にあたる2001年7月2日、150名以上のポリネシア核実験場労働者がモルロア・エ・タトウ(モルロアと私たち)を結成した。モルロア・エ・タトウは元核実験場労働者および、とりわけ、彼らとその子どもたちの健康を憂慮している人々を支援する。フランスでは退役被曝軍人たちが二つの協会を結成した。そのひとつは、アルジェリア核実験場被曝軍人を代表するものであり、もうひとつはポリネシア核実験場の被曝軍人たちのものである。フランス上院はこれらの組織を2002年1月の会議に招いている。ポリネシアのマオヒの人々の故郷は今もフランスの植民地である。サンフランシスコ、ベイエリアでは、ハンターズ・ポイントにある海軍造船所放射能研究施設の過去における活動と、それによるアフリカ系アメリカ人が多数を占める地域の環境への悪影響に関するあらたな情報が明らかになった。南カリフォルニアでは、バンデンバーグ空軍基地の先住民族チャマシュの土地が、マーシャル諸島のクワジェリン環礁と同様、(本土)ミサイル防衛計画の実験場として使用されている。
評点:10点中0点
先住民族の声は、20年前グリーナムの女たちが歌った歌に、今もこだまする。
「わたしたちはここにすわり、私たちはここに立つ
ここはわたしたちの土地
核兵器の支配はゆるさない
伝えてください、あなたの故郷にこのことばを」
結論
このように見てくると、わたしたちが絶えず念願している政治的意思とは、さまざまな結果を実現するために活用される人間の心と精神のことにほかならない。
わたしたちはこれまでの成績表の中で、何度も核のない世界を実現するための条件の創出と、その達成についての集団的な政治的意思の必要を強調してきた。そのような決然とした意思は、どのようにして形成されるだろうか。9月11日の事件は、絶望した男たちによって研ぎ澄まされた政治的な意思が、破滅的な結末を招くことを示した。わたしたちは、マドラサスというのは、これらの青年たち、戦争孤児たちを育てる学校で、そこではかれらを母親のない環境で、憎しみという乳で育てたのを見てきた。しかし、力に焦点を絞った教育は9月の朝、世界を死の恐怖に陥れた。モハンダス・K・ガンディーが語ったように、「強さとは物理的な能力から生まれるものではない。それは不屈の意思から生まれる…」9月11日の行動に見られた意思は、恐ろしい形で利用された。しかし、わたしたちはそのような意思とそのような決意を呼び起こし、建設的なやり方で使うこともできる。わたしたちはそれを真実と平和のための道具とすることもできるのである。これらすべての恐ろしい事件は、わたしたちと同じ人間の精神と心から生まれたのである。わたしたちの精神と心の中で始まったことだから、わたしたちの精神と心の中で終わらせることもできる。それをなしうるかどうかは、わたしたちの手中にある。この機会をとらえ、いまこそ世界を核から解放するために行動しなければならない。
時代が暗すぎ、任務があまりに重大すぎると考えるなら、最近の歴史で二人の男がそのような任務に立ちあがった、もうひとつの暗い時代のことを思い出して見よう。
1941年8月14日、ウィンストン・チャーチルとフランクリン・D・ルーズベルトが大西洋の船上で会し、後に北大西洋条約機構憲章の下敷きとなった大西洋憲章の草案を書いた。その第8項にこのように書かれている。
「…世界中の国家は、現実的および精神的理由により、力の行使を放棄しなければならない。国家が陸海空軍を保持し続け、それによって他国領土への侵略、あるいは侵略の可能性による威嚇を続けるならば、未来の平和を維持することは不可能であり、より広範で恒久的な普遍的安全保障システムを確立することによって(強調)そのような国家の軍縮は不可欠であると信じている。またそれらは、同様に、平和を愛する人々を圧迫している軍備という重荷を軽減するようなあらゆる実行可能な方法を援助し、推進するであろう。」
これら二人の偉大な男たち第二次世界大戦というもっとも暗かった時代にこのようなビジョンを主張できたのならば、「彼らが切望した」「より広範で恒久的な普遍的安全保障システム」の確立に向けた挑戦に背を向けるとしたら、わたしたちはいったい何者であろうか。正義によって平和を創出し、地球上から核兵器と、すべての大量破壊兵器をを廃絶することをたじろぐなら、わたしたちはいったい何者であろうか。
註: 地球的および地域的な安全保障への新たな試みについて、以下の資料を参照されたい。
Easwaran, Eknath. Nonviolent Soldier of Islam: Badshah Khan, A Man to Match His Mountains. (Nilgiri Press, Tomales, CA, 1997).
Johnson, Chalmers. Blowback: The Costs and Consequences of American Empire. (Henry Holt and Co., New York, 2000).
Rogers, Paul. Losing Control: Global Security in the Twenty-first Century. (Pluto Press, London and Sterling, Virginia, 2000). Also <www.plutobooks.com>.
感謝のことば
このレポートカード(成績表)作成にあたって、励ましてくださった仲間のみなさま、およびご協力いただいたすべての方々に深く感謝します。
アボリション2000 2001年成績表は、真実の力、また非暴力の力を行使するすべての人々にささげられたものです。とりわけ、今年のライトライブリフッド賞を受賞した英国のトライデント・プラウシェア2000と、新たに組織されたモルロア・エ・タトウをたたえ、祝辞をお送りします。
これらのグループの活動は、核の脅威があらたに地球上の生命を脅かしており、絶えず監視する必要性について、時宜を得て思い起こさせてくれました。遠距離の調査に対して個人的に協力してくださった非暴力教育のためのMETTAセンター’<www.mettacenter.org> プログラム・ディレクターのカリヤ・ヤングに感謝します。ネバダ核実験場ゲート前の石に座って、パメラに聖フランシスとグッビオのオオカミについての話を初めて聞かせてくださったルイ・ビターレ神父に多大な感謝をささげます。彼はベインベリー実験の写真を掲げました。それは大気中に放射能の雲となって出て行きました。まるでその形はオオカミの頭部のように見えました。
Feed the Wolf: A Rough Guide to Global Security 製作への財政援助: Earthays Foundation および Lifebridge Foundation
著作権 アトミック・ミラー
このレポートカード(成績表)は、出典明記の上、転載、配布自由です。ご使用の際は、使用された資料のコピーを下記にお送りください。
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P.O. Box 220
Port Hueneme, CA 93044-0220 USA
Tel: 1 805 985 5073
Fax: 1 805 985 7563
Email: info@atomicmirror.org
(翻訳 大庭里美)
【付録】
オーストラリア、ベルギー、エジプト、フランス、日本、ルーマニア、ロシア、スウェーデン、英国、および米国から参加者が集い、イングランド、サフロン・ウォルデンで開催されたアボリション2000グローバル評議会は、核兵器の脅威のない世界を要求する『アボリション2000声明』、および植民地主義の暴虐と核兵器の製造と実験によってもたらされた先住民族の苦しみを認識する『モオレア宣言』をあらためて確認します。わたしたちは、ヒバクシャ_原子爆弾をくぐって生きのびた人々_のことを忘れず、世界の国々が「わたしたちの最後の一人がこの世を去る前に、核兵器は永遠に廃絶されなければならない」という、かれらのせっぱつまった訴えに耳を傾けるよう呼びかけます。
アボリション2000は今、確実に新しい世界の流れに直面しています。核兵器は不断に近代化されつづけ、米国は宇宙に兵器を打ち上げ、宇宙での原子力利用を拡大しようとしています。不道徳かつ違法な世界支配を追求するこのようなやり方は、世界の財源にとってますます重荷となっています。西側核兵器保有国とその同盟国は、かれらによる世界の資源の確保と持続不可能な水準でのかれらの消費を維持するために、地球上に住む圧倒的多数の人々の間に高まっている経済的不平等と社会正義の不在に対する不満に「ふたをする」ことができると信じています。この危険で安定を損なう構造がいつまでも続くことはありえません。
わたしたちが求めるのはそのようなものではありません。わたしたちは、国際法と条約の尊重、国際紛争防止と国連の改革を通じた国際協働に基づく、人類すべてのためになる新しい安全保障の枠組みを要求します。ただちに核兵器廃絶、あらゆるミサイルの禁止、そして宇宙の平和維持に向けた交渉を開始するよう要求します。わたしたちが想い描く世界は、核兵器やさまざまな環境汚染から解放された、そして社会的経済的不公正のない世界です。この新しい枠組みが、実際的かつ倫理的というだけでないことは確実です。それは、わたしたちの地球の未来にとって、緊急重大なことなのです。
(大庭里美訳)
これらの資料についての連絡先:
大庭里美
アボリション2000グローバル評議員
_/Fax:082-828-2603
Email: dogwood@muc.biglobe.ne.jp
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