ゴイル湖の平和運動家を支援する会

ニュース No.1.(99.9.24)[pdf版]

ホームページ
http://www03.u-page.so-net.ne.jp/ta2/toyosima/goilsupt.html

世話人 豊島耕一,大庭里美,畑山敏夫
(豊島:電話/FAX 0952-28-8845, メール toyo@cc.saga-u.ac.jp)

 イギリスとデンマークの中高年の女性3人が6月8日,グラスゴーにほど近いゴイル湖(入り江)の原潜研究整備施設に侵入しました.彼女らは水上に浮かぶ実験室にボートで乗り込み,コンピュータを海中に投げ込み,操作盤などを家庭用のハンマーで破壊するなど3時間余りにわたって活動しました.この施設は,ミサイル原潜の隠密行動を可能にするために原潜の音響・磁気特性をテストし,改良するための研究開発の主力部分で,これなしには原潜は「まる見え」となり武器としての能力は低下します.したがって彼女らはこの行動を「非武器化(disarm)」と呼んでいます.

 私たちは「トライデント・プラウシェア2000」に属する彼女らの行動が正当であり,違法なのは核兵器であるという立場から,投獄されている彼女らを支援する活動を始めました.彼女らは決して「過激派」ではありません.詳しくは会のアピール「『市民による核廃絶』を始めた勇気ある女性たちに支援を」をお読み下さい.

 初公判はスコットランド,グリーノックで9月27日に開かれます.先々,法廷の傍聴や被爆者の方の証言などにも取り組みたいと思っています.


会員からのメッセージ

暉峻淑子さん

市民による核廃絶に関する3人の女性の資料をお送りいただきありがとうございました.イギリス政府そのものは好戦的,反人権反平和主義の行動をとっているのですが,このような市民の行動があることに勇気づけられます.日本も次々にこれでもかこれでもかと絶望をさそう政官の行動があるものの,しかし市民運動は着実に力をつけてきていると思います.それが希望になります.知と技術がどうして人類と地球に福祉をもたらすものにならないのか,いつも苦しい気持ちです.

(初めて頂いた葉書の文を,本人の了解を得て転載しました.暉峻さんはNGO「国際市民ネットワーク」の主宰者で,しばしばユーゴに行っておられるようです.)

真鍋毅さん

「プラウシェア2000から学ぶこと」

 インドネシアに送られる予定の軍用機を破壊して、それでも無罪! 刑法研究者の私には、非常に新鮮な驚きでした。インドネシア政権(前)による東チモールの武力併合及び武力抑圧が国際法違反であること、その違法を助長するような武器を破壊するのは罪にならないこと、そういった論理を陪審が認めたことーこれらは日本の刑事事件ではまず考えられません。すぐ思い浮かぶのは恵庭事件ですが、その無罪の論理は全く次元の異なるものでしたし、日本の裁判所は自衛隊違憲問題に一言も触れませんでした(憲法9条があるにも拘らず!)。プラウシェア2000の裁判では、イギリスの国内法を超えて、日本国憲法9条と考え方を等しくする国際法の論理が通用したのです。このことは、憲法9条がますます形骸化されつつある日本にとって、きわめて教訓的なことと思います。

 プラウシェア2000のゴイル湖における行動(原潜の行動の妨害)はどう判断されるでしょうか? 核兵器の所持・使用が国際法違反という国際司法裁判所の見解に従えば、結論は同じになるはずです。

 プラウシェア(鋤の刃)という名は旧約イザヤ書「剣を打ちて鋤に変えよ」の言葉からということですが、私は法律論もさることながら、その信仰心の篤さ、信仰心を行動に移した勇気に強く打たれました。学ぶべきことは、むしろこの点にあるという気がしてなりません。

 さて、日本の私たちはどう考え、どう行動すべきでしょうか? プラウシェア2000を支援する会の会員の皆さんのご意見をお聞かせください。


これまでの活動など

8月3日 賛同者7名で発足,「アピール」作成
 5日 賛同者15名.アピール文一部修正
 8日 原水禁長崎大会(原水協系)分科会で事件と支援する会の紹介
23日 佐賀大学教職員組合のメディアで紹介
.賛同者18名.
9月5日 「市民の意見30の会・東京」から原稿依頼
13日 河出書房新社からの本への関係文書の引用の依頼
18日 会の規約を提案.郵便振替口座開設.賛同者23名.

24日現在賛同者26名.


トライデント・プラウシェアの臨時ニューズレター(99年7月)から記事を一つ紹介します.真鍋さんの訳です.

TP2000ニュース:5月キャンプからの報告

ヤナギの皮剥ぎ 5月週末の元気になるお話

 北門で「ヤナギの皮剥き」を激励した後で(いつ終るのだろうか?)、予めの合図に基づいて、計画はフェンス沿いに広がり、それぞれのグループ毎に白らの行動を実行することになっていた。これは、鎖で繋がったフェンスを通ってファスレインに入り、燃料庫の溶接された網目のフェンスに至るという、中部諸州グループのいくつかのメンバーによる第三の企ててあった。ボルトカッターとD錠を携えて、我々は我々の目的、つまり警官が来る前に鎖で繋がったフェンスを破って溶接網に自分自身を固定するということを目指して動き出した。真っ昼間に大衆行動で歩いて、駐車しているストラートクライド警察の数台のトラックの傍を過ぎたというのに、一人の警察も後をつけて来ないというのは不思議な感じであった。

 外側のフェンスに小さな穴が開き、我々は素早く内側のフェンスに渡って小さな穴を開けたが、ジョイにボルトカッターを返して固定するまでには時間がかかった。これは全て緊迫感をもって遂行されたが、それは警察がすぐにもやって来得る--或いは我々がそう予期していた

からであった。

 一息ついたとき、我々は国防省警察がどこにも見えないことに気が付いた。ストラートクライドは今や車椅子行動の対処に忙殺され切っていて、我々のフェンスの側には男女や犬の姿も声もなかった。挫折感はこの上もなく大きかった。というのは、フェンスにD錠で固定されたものの、その鍵は全く手の届かないバッグの中、ボルトカッターはなく、警察は見えない!密着していながら遠くにいるようで、基地の真っ只中にいるのに、それ以上動きが取れないでいるのだから。しかし、挫折は恐慌に変わった。というのは、我々がこのままでいるしかないとすれば、恐ろしい蚊どもがその夕食--フェンスに縛り付けられた二人の人間から提供されるご馳走を求めてやってきたとき、どうなるか?

 だから、ついに国防省警察(と犬)がやってきたのを見たときは、まるで助けを得たようであったが、そこで彼等のお定まりに従って事が運び、ファスレインの独房入りとなった。しかし、優美な技術と手仕事の跡は、我々が深夜過ぎに釈放される前に整理された。このお話の教訓は、行動が常に綿密に計画されるべきだといっても、それは機会が生じているときにその先に行けないという具合にあなたの選択を限定するものでは決してないということである。       シルヴィアとアリソン


賛同者名簿 (9月24日現在,26名)

著述業など 小田実(作家), きくちゆみ(環境問題著述業)

団体役員・職員など 池田真規(日本反核法律家協会事務局長), 梅林宏道(太平洋軍備撤廃運動国際コーディネーター), 大庭里美(プルトニウム・アクション・ヒロシマ), 大浦正志(帯広平和委員会事務局長),   関家敏正(佐賀県平和委員会代表理事), 牧野苓子(原水禁国民会議柳川地区協議会議長), 宮城康博(沖縄・名護市会議員),  横見靖夫(高槻市原爆被害者の会幹事)

企業公務員など 泉英明(会社役員,久留米市在住), 岸恵子(佐賀大学職員), 山下侑子(デザイナー,佐賀市在住)

教育・研究職など 臼杵 陽(国立民族学博物館助教授), 浦田賢治(早稲田大学教授), 岡本良治(九州工業大学教授), 鎌田定夫(長崎平和研究所), 芝野由和(長崎総合科学大学助教授), 暉峻淑子(埼玉大学名誉教授), 浜林正夫(一橋大学名誉教授), 畑山敏夫(佐賀大学教授), 真鍋毅(佐賀大学名誉教授), 森茂康(九州大学名誉教授),  弓削達(フェリス女学院大学前学長), 吉田省三(長崎大学助教授)


この会へのカンパは次へお願いします.

郵便振替 ゴイル湖運動家支援 口座番号 01700-1-89259

トライデント・プラウシェア2000へのカンパをされる方は次をご利用下さい.

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    口座番号 01390-9-32572

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