フェアフォード・ファイブ 報道説明 04年6月18日
フェアフォード・ファイブ 控訴審に移る
6月29日の火曜日に控訴裁判所は、「フェアフォード・ファイブ」と称される事案において訴追側と弁護側双方の代理人からの控訴にかかる聴聞を始めることになる。フェアフォード・ファイブとは、2003年イラク戦争の数週間前、グルセスターシャーのフェアフォードにある空軍基地で、アメリカ所有の軍事機器に損傷を加えたとされる平和活動家たちである。
3つの事案―ポール・ミリングとマーガレット・ジョーンズの事案、フィリップ・プリッチャードとトビー・オールディチの事案およびジョシュ・リチャーズの事案―は、分離して審理されることになるが、予審の聴聞の関係でこれまで併合されていた。5人の被告人はすべて一貫して同じ抗弁を提出していた―即ち、自分たちが取った行動は、自分たちが不法な戦争であると信じることに抵抗するためのものである、と。
高等裁判所判事グリクソン氏は、5月に本件被告人たちに有効な抗弁の論点について裁定した。彼は、被告人たちに、自分たちの行動には「合法免責事由」があると主張する権利を認めた―ただし、被告人らが論じるのは戦争が遂行される際に犯罪が犯されるのかどうかについてだけであって、戦争そのものの合法性についてではない、と。訴追側はこの決定に対して控訴することであろう。
ブリストル刑事裁判所での予審聴聞の後で、グリクソン氏は、イラクに対する戦争を始めたことがそれ自体において不法であるかどうかという議論は、その戦争がどう戦われようと、許され得ないことである、と言明した。この判事は、イギリス政府が戦争に踏み切るという決定の基本原理は「国家大権」に属する事柄―イギリスの一国内裁判所が判断することを許され得ないことである、と裁定したのである。被告人のうちの一人の代理人である弁護士ヒューゴー・チャールトンによれば、このような裁定はどんなものであれイギリス政府を法の上に置くものである。チャールトンの言葉を借りて言えば、それは政府に「いわばジェームズ・ボンドの殺しのライセンス」を許すものである。3つのグループの被告人のすべての代理人たちは、このような「およそ裁判に馴染まない」裁定には反対であると主張している。
次週の控訴審において、ミリングとジョーンズはジェームズ・ルイス勅撰弁護士に、ジョシュ・リチャーズはキール・スターマーに代理されることになろう。第三級勅撰弁護士アンソニー・イェニングスがプリッチャードとオールディチを代理するであろう。聴聞は7月1日の木曜日まで続くと予想される。(真鍋訳)
事件そのものの報道説明は次にあります.
http://www003.upp.so-net.ne.jp/maytime/event2k/r030314aJ.html