報道説明 04年2月25日

高裁、秩序違反の上級再審理に臨む

3月2日と3日、スコットランド高等裁判所は秩序違反での断罪に対する5件の上訴を審理することになっているが、うち3件はトライデントに対する市民の抵抗に関するもので、標準的な規律になり得る最初のものである。

通常の3人でなく5人で構成される裁判官団は、上訴を審理して、彼らの判断に更なる権威を付することになろう。目的は、実際に秩序違反を構成するものは何かを明らかにすることにあるが、そのことは、これまで刑法で論争になり、問題とされてきた部分である。

この争点は、スコットランドにおける平和的抗議行動の今後にとって、トライデントに対する争いのみならず正義、平和、環境についての他の運動にとって、とりわけ重要である。

2000年1月、秩序違反を犯したとの嫌疑を受けた抗議行動者パメラ・スミスは、ヘレンズバラ地方裁判所において、この犯罪の定義は曖昧でヨーロッパ人権協定に適っていないと論じた。この主張は裁判所によって退けられ、彼女は高等裁判所に上訴した。この上訴は却下されたが、本件に関する意見の中で裁判官らは、特に次のように述べてこの犯罪を定義づけようとした。すなわち「そこで要件とされるのは、その内容からしてどんな通常の人間にも真に狼狽させ困惑させるものと示される行為であると思われる」(注1)と。

それにもかかわらずヘレンズバラ地方裁判所の裁判官たちは、いかなる狼狽や困惑の証拠がないことを無視し、トライデント基地入口の道路上に平和的に座り込んだことを秩序違反として、若干の例外はあるが抗議行動者たちを有罪とし続けてきた。このことが、高等裁判所への20件にものぼる上訴を招いているのである。

3月2日及び3日に審理される3件のトライデント関連の上訴は次の通り。
ヘレンズバラのジェイン・タレンツ(45)、2001年4月スコットランド議会でのトライデントに反対する抗議行動についての有罪に対して。
ブリストルのマーガレット・ジョーンズ(55)、2002年2月の封鎖についての有罪に対して。
エグゼターのゲイナー・バレット(25)、1999年クールポートの弾頭庫封鎖についての有罪に対して。

ジェーン・タレンツは「私たちは、大量殺傷のために作られた兵器システムに対する私たちの徹底した憎悪を自由に表明する自らの権利を、高等裁判所が支持するであろうことを望む」と語った。

注1 スミス対ドネリー スコットランド・ロー・タイムズ27号、2001年8月31日、17節

(真鍋訳)