―――――――――――――― トライデント核ミサイル撤廃キャンペーン資料
1998年4月21日
プラウシェアとは何か?
プラウシェア・アクションとは、戦争マシンやシステムが、これ以上人々を傷 つけることがないように、非暴力で、堂々と、そして論理明快に、平和と軍縮の ための行動に参加する一つの方法です。プラウシェアというキャンペーンの名前 は、聖書の中の「刀を鋤に鍛えなおす」という予言に由来するものですが、この キャンペーンはキリスト教徒だけのものではなく、あらゆる宗教、あるいは無宗 教の人々を含みます。このキャンペーンの基礎になっているのは、平和、戦争放 棄、そして暴力によらない紛争解決の手段の追求です。このキャンペーンは、殺 戮の脅威は、道徳に根本的に背くものであるという認識に立っています。プラウ シェア・アクションは1980年にアメリカで始まり、 ライフル銃、軍艦、ミサイ ル、潜水艦、および航空機などの兵器を解体したり、破壊したりする活動がさま ざまな国で起こりました。最近のもっとも成功した例は、4人の女性による約 150万ポンドのイギリスの戦闘機ホーク・ジェットに損害を与え、 その飛行機が インドネシアに輸出されて東チモールの虐殺の続行に使われるのを阻止したこと です。その女性たちは、1996年7月、リバプール・クラウン裁判所における画期 的な裁判で、彼女たちの行動はイギリスが虐殺に加担することを防いだのである から、法的に正当化されるという議論がなされ、釈放されました。
トライデント・プラウシェア2000(トライデント核ミサイル撤廃キャンペーン) の正当性
トライデント・プラウシェア2000というプロジェクトは、2000年までにイギリ スのトライデント核兵器システムを撤廃するために、数百人の世界市民が訓練と 活動を行うことを目指し、5月2日に開始されます。この核兵器撤廃行動の正当 性は、1945年の広島への原爆投下以来の、長期にわたる世界の大多数の人々と国 家による世界的な軍縮への要求に根差しています。 その活動はまた、核兵器撤廃 のためにあらゆる面において交渉を行なうことを義務づけた1996年7月の国際司 法裁判所の勧告的意見にもとづくものです。また、イギリス国民の大多数は核兵 器撤廃に賛成であるということが、投票によって非常に明確になっており、世界 的な核兵器撤廃を遂行することは、労働党の選挙公約でもあります。 もはや言葉だけの約束は十分ではありません。世界の人々は、核保有国が軍縮を 約した核拡散防止条約(NPT)の実行を何10年も待ち続けてきました。冷戦 が終わり、あたらしい世紀が始まろうとする今こそ、これらの恐るべき大量殺戮 兵器を撤廃するために一致して努力をすべきときに来ています。
市民による軍縮
トライデント核ミサイル撤廃キャンペーンはイギリス政府と直接連絡をとりあ っており、対話を要求しています。かれらは、政府自身によるイギリスの核兵器 撤廃について9項目の要求をしました。それらは、以下のようなものです。 i)〜ix) −−− ブレア首相への公開書簡参照
これらの要求が実行に移されれば、 トライデント・プラウシェア2000は、予定 しているキャンペーンを中止します。もし、1998年8月11日までに、政府が事実 上の核兵器撤廃に向かわない場合は、トライデント核ミサイルの基地であるスコ ットランドのファスレーンとクールポートにおいて、一連の核兵器撤廃行動の第 1段階を開始することになります。その後、活動家たちはイギリス国内にある他 のトライデント関連施設に目標を移します。その中には、当局にとって防衛がは るかに困難で、かつトライデントの配備に決定的に重要である指令、制御、伝 達、および情報ネットワークのような施設も含まれます。
これまでの実績
プラウシェア・アクションの活動家の実行能力はすでに証明されています。ホ ーク・ジェット事件だけでなく、少なくともそれまでに3回、活動家が察知され ることなく核潜水艦に侵入したことがあります。ちょうど先月、グラスゴーの近 くのトライデント基地の警備が強化されました。その前に活動家たちがクールポ ートのエクスプロージブ・ハンドリング・ジェッティによる厳しい警備を破って 「警察のボートを拝借し」、40分ほど湖の中を漕いでファスレーンの別の厳重警 備区域に侵入し、2隻のトライデント潜水艦のわずか数ヤードのところに一人の 女性が上陸したのです。「わたしたちは、警察のボートを正しく使ったのです。 納税者は、警察の備品が法を守るために使われることを期待しているのですか ら。」とゼルターは言いました。「それが私たちのやったことです。私たちはそ のボート使って兵器による大量破壊という犯罪に関与するという、進行中のイギ リスの陰謀について調査したのです。」
世界に広がるプラウシェア核兵器撤廃キャンペーン
トライデント・プラウシェア2000を支持する署名は、多くの組織に広がりつつ あります現在のところ次の各組織が署名をしています。−−−地球のためのアク ション(NUSU)、スクヮッターズ援助サービス、バランジャ・インタナショ ナル・ミーティング・ハウス、海洋投棄反対キャンペーン、スリ・ランカ国家テ ロ反対キャンペーン、法と平和のためのキャンペーン、核兵器撤廃キャンペー ン、ドンカスター緑の党、地球が第一!アクション・アップデイト、北アイルラ ンド地球の友、フレンドシップ・アクロス・フロンティアズ、グアテマラ連帯ネ ットワーク、ヒンドバーン&ローゼンデイル労働組合評議会、国際平和局、イオ ナ・コミュニティ、グリーンピース・ロンドン、マックリベル支援キャンペー ン、ミディエーションUK,イギリス仏教徒ネットワーク、ノッティンガム・ベ ッギーズ、ノッツ地球が第一!、パルチザン、ピース・ケア、ピース・プリズナ ー・サポート、リフォレスト・アース、改革と解放ユダヤ社会行動、ロード・ア ラート!、シーク人権グループ、スターリングCND、TAPOLインドネシア 人権キャンペーン、ガンジー財団、イングランドおよびウェールズ緑の党、大地 はわれらのもの、レインボー・センター、タワー・ハムレットCND、女性直接 行動グループ、世界平和2000
現在までに「誓約書」に署名した人
ベルギ、イングランド、フィンランド、スコットランド、スウェーデン、及び ウェールズから40人がすでに訓練を受け、核の犯罪を阻止し、非暴力と安全を誓 う誓約書に署名しています。その名前は以下のとおりです。
キャスリン・アモス、モラグ・バルフォア、クラウス・ボグニエル、レイチェ ル・ボイド、シルビア・ボイス、マーガレット・ブレムナー、ケイ・カーマイケ ル、マギー・ショーンリー、マクスウェル・クレイグ、スチュアート・デニス、 ヒュー・ドルモンド、イオナ・フィッシャー、クライブ・ファッジ、ハンナ・グ リフィン、ダーク・グリュツマッヒャー、トレイシー・ハート、ダビダ・ヒギ ン、フレデリック・イバソン、ペッター・ジェルソン、ポール・アンドリュー・ ケリー、ピーター・レイニョン、リチャード・ルイス、アン・リビングストン、 シェイラ・マッケイ、デビッド・マッケンジー、エレン・モクスレイ、イギー・ オルソン、ブライアン・クウェール、イアン・リチャードソン、アンニカ・スポ ールド、ヘレン・スティーブン、ペレ・ストリンドランド、バーバラ・メアリ・ サンダーランド、イアン・トムソン、アンナ・トーミネン、ステレン・ビントハ ーゲン、アグネス・ウォルトン、メイア−コレット・ウィルキー、アラン・ウィ ルキー、アンジー・ゼルター
記者会見:反核キャンペーン始まる
98年4月27日
ブレア首相に対して、イギリスの核兵器システムを解体させるための国際的活動 家の誓約書が出された。 来る5月2日土曜日、2000年までにイギリスの核兵器を 撤廃させるための非暴力直接行動を誓ったロンドンの活動家たちは、記者会見を 行なう。
プラウシェア2000の活動の目的は、イギリス政府に働きかけて、核兵器の使用は それが人々や環境に与える被害ゆえに原則的に違法であるとした1996年の国際司 法裁判所の判断を守らせるといことである。
この記者会見は、広島、ロンドン、エディンバラ、ブリュッセル、およびエーテ ボリで同時に行われる。
そのグループの中には、1996年にインドネシアに輸出される予定であったホー ク・ジェットに150万ポンドの損害を与えた4名の女性のひとり、 アンジー・ゼル ターも含まれる。 彼女たちの行為は「イギリスが東チモールの虐殺に加担するこ とを防いだ」という意味で正当であるとされ、 裁判で勝利した。
イギリスにおいては、 核となる活動家たちの数は急速に増えて、 すでに20歳から 90歳までの「世界市民」40人がプラウシェア活動家として署名している。 各人 は、 「アフィニティ・グループ」 という小グループに別れて、ハンドブックとビデ オを使い、活動のための非暴力と安全のための訓練を受けている。このアクショ ンにおいて透明性は不可欠な要素であり、参加する全活動家は「核の犯罪を阻止 するための誓約書」に署名し、そのリストは行動開始の前に政府に提出される。
グループはすでに、活動家たちが機能を物理的に破壊する行動に出る前に、イギ リスの核兵器システムの撤廃に向けた交渉に望むよう文書で要請している。その 中には、たとえばトライデント潜水艦による24時間パトロールを中止する、また 核弾頭を撤去するなど、労働党が受け入れることができると思われる9項目にわ たる核軍縮の段階が示されている。もし、これらの要請が実際に受け入れられれ ば、キャンペーンを中止する。もし、政府がそれを全く受け入れなければ、8月 11日、イギリスのトライデント潜水艦基地ファスレーンで、 活動家たちによる核 兵器撤廃の活動が開始されることになる。
プラウシェア2000年の活動は、最近実施されたMORI投票の結果によって支持 されている。つまり59%の国民は、イギリスは核兵器がない方がより安全だと感 じており、87%は政府が国際的な軍縮交渉を開始するのを望んでいる。
記者会見出席者
ルパート・タイスハースト、アンジー・ゼルター、マシュー・ペリング
このキャンペーンに関する問い合わせ先:
Reforest The Earth
42-46, Bethel Street, Norwich, Norfolk, NR2 1NR UK
TEL:+44 1603-611953 FAX:+44-1603 666879 e-mail : reforest@gn.apc.org
(仮訳 大庭里美)