核の犯罪を阻止するための誓約書

 イギリスは1968年に核拡散防止条約に署名しました。 その第6条は、各締約国 が「核軍備競争の早期の停止及び核軍備の縮小に関する効果的な措置につき、並 びに厳重かつ効果的な国際管理の下における全面的かつ完全な軍備縮小に関する 条約について、誠実に交渉を行うことを約束する」とはっきりとうたっていま す。それから30年が経過した今もなお、イギリスは核兵器を配備し、NATOは 三大核保有国を含む核の軍事同盟であり続けています。トライデント・システム は、イギリスの核戦略の拡張で、これまでのポラリス・システムの3倍の射程距 離をもち、はるかに命中精度が高く、8倍の攻撃能力をもつものです。  また、1996年7月8日には国際司法裁判所(国連の最高司法機関)のモハメッ ド・ペジャウィ所長は「核兵器は究極の悪であり、人道法に反している。それゆ えに、核兵器の存在はまさに人道法への挑戦であり、生命を育む人間の環境に長 期にわたって影響を与えることはいうまでもない。」と明確に表明しました。国 際司法裁判所は、サンクト・ペテルスブルグ宣言、ハーグ協定、ニュルンベルグ 原則、ジュネーブ協定、及びジェノサイド禁止協定は、すべて核兵器に適用され ることを確信しました。国際司法裁判所は、核兵器による威嚇やその使用の合法 性を認めることができませんでした。

 私は、トライデント核兵器システムは、違法で、危険で、不正であり、汚染を もたらし、恐るべき廃棄物の源であり、そして根本的に道徳に反すると信じま す。私は、トライデントは防衛よりも脅威をもたらすと考えます。

 私たちは、核兵器に関する法律を支持し、ニュルンベルグ原則のもとで人道法 を犯すあらゆる核兵器システムを注意深く、安全かつ平和りに撤廃することは、 すべての市民の義務です。また、イギリスやNATOを含む各国の国内法は、深 刻な犯罪を阻止するためという信念にもとづいて行われた場合は、物品に大きな 損害を与えることも認めています。私は、トライデント・プラウシェア2000の活 動家たちは、現存のイギリスのトライデント・システムによる人道法違反の犯罪 を阻止しようとしていると信じます。

 国際的、国民的、および個人としての責任をもつ世界市民として、私は2000年 までにイギリスの核兵器システムを平和的に、安全に、オープンに、そして論理 明快に撤廃させるよう努力するつもりです。私は、トライデント・プラウシェア 2000のほかの仲間とともにこの行動に参加します。 もし、イギリス政府が2000年 1月までにそのトライデント・システムを完全に撤廃すると保証しない場合、 1998 年8月11日から、ファスレーン、クールポート、および他のトライデント関連施 設に入り、または他のメンバーが入るのに協力し、他の生命に危害を加えないや り方で核兵器システムを解体することを宣誓します。

 私たちの軍備撤廃行動は、国際法の原則をよく理解したうえで、現在進行中の 犯罪行為を阻止しようとするものです。

 私は、行動にあたって、いかなる生命にも危害を加えず、常に穏やかに平和的 にふるまうことを誓います。

   サイン:                  日付:

   名前、住所:

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トライデント・プラウシェア2000

プラウシェア2000活動家、 アンニャ・ライトによる声明

1998年5月2日

 自分たちの行動が世界を変えることができると信じている人はごくまれです。 しかし、わたしは、肯定的な変化をもたらすには、強じんで、平和的な行動が絶 対に必要だと確信しているごくわずかな人間の一人です。歴史の全過程を通じ て、このことこそが平和、人権、そして環境保護に関して、数え切れない前進を 社会にもたらしてきたのです。

 まるまる二世代にもわたって、人類は想像だにしなかった最大の暴力による恐 怖にさらされてきました。ここにおられる皆様方と同様に、核戦争の恐怖はわた しの非常に幼いころからの記憶に刻まれています。皆様方と同じように、わたし も罪のない広島や長崎の犠牲者のことを思って涙してきました。いまだにわたし は、わたしたち人間がこのような悪夢を創り出すほど愚かでありうるとは信じ難 いことです。

 1996年7月、国際司法裁判所は核兵器の使用やそれによる威嚇は、原則として 国際法違反であると結論づけました。しかし、今なお核兵器は製造され、ミサイ ルは配備され、潜水艦によって世界中を動き回っています。皆様方や、世界の大 多数の人々と同様、わたしもこれらの違法行為の終結を確認したいと思っていま す。

 核兵器の製造や配備をしている数少ない国のひとつがイギリスです。核による 破壊の脅威を終結させる触媒になることを願って、数百人の「国際市民」が2000 年までにイギリスの核兵器を撤廃させるために、非暴力直接行動に参加します。

 多数の国から48人が「核の犯罪を阻止するための誓約書」に署名しており、ト ニー・ブレア英国首相がイギリスの核の脅威を縮小し、終結させるための交渉に 応じなければ、1998年8月11日からスコットランドのファスレーンにおいてこの 核兵器システムを撤廃させるための平和的行動を開始するつもりです。

 非暴力直接行動と市民的不服従は、機微な話題であることをわたしは知ってい ます。わたしは絶えず、日本の人々が調和、合意、そして献身を強く望んでいる ことに感銘を受けており、これらの資質はスコットランドでの行動において非常 に重要な役割を果たすであろうと確信しています。この行動がユニークなもので あり、その公開性と透明性ゆえに歴史を作るものとなることを信じています。

 トライデント・プラウシェア2000を貫く倫理観は「生命の尊重」です。この行 動に「敵」はありません。なぜなら、現在核兵器とそのシステムの製造や運転に 従事している人々は、(近い)将来はともにその解体に携わる仲間となるだろう と考えているからです。これらの兵器を製造するのに費やされた莫大な費用とエ ネルギーは、そのかわりに前向きで、創造的で、生活を向上させるために使われ うるのです。

 わたしは「核の犯罪を阻止する誓約書」に署名しました。そして1998年8月 (広島の原爆の日の直後)スコットランドに行くつもりです。わたしは過去10 年間(そしてこれからも)NGOで働いて来ましたが、今日はいかなる組織も、 またいかなる宗教的な運動を代表しているのでもありません。

 わたしは、核兵器の専門家ではありません。わたしは地球上の生命を守ろうと する情熱を抱く一人の人間にすぎません。

 今日ここに来たのは、日本の、とりわけ広島の方々に、どんな形ででもこの行 動を支えてくださるよう呼びかけるためです。核戦争の恐怖をじかに体験した国 である日本の人々が、わたしとともにスコットランドに一緒に来て、この歴史的 な行動に加わって下さることを望みます。

(1998年5月2日、広島市での記者会見で発表したものです――訳注)

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1998年夏−イギリスの核ミサイル撤廃キャンペーン  トライデント・プラウシェア2000に参加してください

スコットランドのファスレーンとクールポートにおける大規模な核兵器撤廃キャ ンペーン

プラウシェア・アクションとは戦争マシンやシステムが、これ以上人々を傷つけ ることがないように、非暴力で、堂々と、そして責任をもって、平和と軍縮のた めの行動に参加するひとつの方法です。プラウシェアというキャンペーン名は、 聖書の中の「刀を鋤に鍛え直す」という予言に由来するものですが、このキャン ペーンはキリスト教徒やユダヤ教徒だけのものではなく、あらゆる宗教、または 無宗教の人々を含みます。このキャンペーンの基礎となっているのは、平和、戦 争放棄、そして暴力によらない紛争解決の手段の追求という世界の人々の願いで す。このキャンペーンでは、戦争は常に権力の残虐行為であり、殺戮の脅威は深 い非道徳性であることを認識しています。

トライデント・プラウシェア2000の計画は、50年前、広島と長崎に初めて原爆が 投下されて以来、連綿と続けられて来た国際的な平和運動の流れを受け継ぐもの です。わたしたちは、新たな千年期を核のない世界とするために、2000年1月ま でにイギリスのトライデント核システムを平和的に、堂々と、そして責任をもっ て解体することを目指します。わたしたちの行動は、国際的に認められた法のも とで、現在行われている犯罪行為を中止させることを目的とします。

現在横行する犯罪行為を中止させよう

 世界各国からの何百人の活動家は、『アフィニティ・グループ』と呼ばれる、 3〜10人の小さな、 独立した、サポート・グループにわかれます。そして各自 が、1998年5月「核の犯罪を阻止する誓約書」公表を前提に署名します。 わたし たちは、大衆的に明らかにしたうえでトライデント核潜水艦を平和的に撤廃しよ うとしています。

 しかしながら、わたしたちはイギリス政府が署名した数多くの国際条約にした がって、政府自身が平和的かつ責任をもって核潜水艦の解体をするのを、3カ月 間待つつもりです。例えば、1968年の核拡散防止条約第6条では「各締約国は、 核軍備競争の早期の停止及び核軍備の縮小に関する効果的な措置につき、並びに 厳重かつ効果的な国際管理の下における全面的かつ完全な軍備縮小に関する条約 について、誠実に交渉を行うことを約束する」と明確にうたっています。わたし たちの行動は、イギリス政府にその条項を順守させ、 2000年までにこの過程を完了させるための試みなのです!

 これから3カ月の間に、小さな交渉グループ「トライデント核ミサイル撤廃の ための交渉団」を結成して、その交渉団が、地方議員、国会議員、あるいは外交 官と、公開の対話と交渉を集中して行います。その中には、ファスレーンとクー ルポートの司令官、防衛大臣、外務大臣、首相、弁護士会長(Attorney General)、スコットランド検事総長、 NATO議長、ヨーロッパ連合議長、およ び国連事務総長も含まれます。交渉団は、かれらに2000年までにイギリスのトラ イデントシステムを完全に解体するという文書での回答を要求するでしょう。わ たしたちは「関係当局」自身によるトライデントの撤廃を望んでおり、もしかれ らがことをうやむやにしようとすれば、わたしたち自身で具体的行動をおこすの だということが明らかになるでしょう。

 警察および警備との関連も、5月にトライデント核ミサイル撤廃キャンペーン の全活動家の名前と住所を記入した『核の犯罪を阻止する誓約書』のコピーが公 表されたときから始まります。これによってわたしたちの行動の公開性と正当性 がはっきりと理解されるでしょう。あたらしいメンバーが加わる度に、誓約書は 更新されることになります。

 もしイギリス政府が、2000年までにすべてのイギリスの核兵器を撤廃するとい う確実な誓約を行わなければ、1998年8月11日から25日まで、 ファスレーンとク ールポートにおいて核ミサイル撤廃アクションの第一段階が開始され、そして、 その後3カ月に1回、週末に公開のアクションが行われることになります。しか しながら、8月25日からは、各小グループ(アフィニティ・グループ)は、まっ たく正当であるにもかかわらず、誰にも正確な日時と計画を知らせることなく、 『秘密の』解体行動に移ることができるでしょう。他のトライデント関係の施設 もまた、これら第二段階のプラウシェア・アクションの目標となるでしょう。

 各アフィニティ・グループはそれぞれ『任務に関する誓約書』に署名すること になります。それによってコア・グループが、その期間中どのレベルまで支える ことができるかを知ることができます。これは一時的な行動ではなく、2000年ま で続けられる計画であり、さらに、この行動における任務は全体のプロジェクト の中で各人または各グループごとに柔軟に考えてよいものです。とりわけ外国か らの参加者は、それぞれの国での核兵器施設での行動があるのです。

 各アフィニティ・グループは、行動にあたって、精神的、肉体的、また法的に 準備するために最低二日間のワークショップに参加します。コア・グループのメ ンバーはそれぞれのグループの進度をチェックし、支え、責任がもてる、全面的 に献身的な非暴力の活動家だけを参加させるために、各グループと連絡をとりあ います。わたしたちが扱っているのは、極めて危険な放射能をもった核兵器シス テムであり、わたしたちはすべてのメンバーの安全を第一としなければなりませ ん。

 コア・グループのメンバーは7人で、その名前はこの呼びかけ文の最後にあり ます。コア・グループは、このプロジェクトについて全面的に責任をもち、また これに参加したいと思う人々を支える役割を担っています。コア・グループは、 このプロジェクトを全体的に指示、実行および財政面において推進し、すべての アフィニティ・グループを支援します。コア・グループはまた、それぞれのグル ープに二日間のワークショップを組織し、第1回目のアフィニティ・グループ代 表者会議を4月に招集、5月には『核の犯罪を阻止するための誓約書』、資料、 交渉チームの選抜と指示の発送、開始、および8月25日以降の3カ月毎の週末の 行動計画のために公開の集会を行う予定です。

非暴力、安全、公開性、正当性 

 トライデント核ミサイル撤廃キャンペーン(トライデント・プラウシェア2000 )の基本原則は、完全な非暴力、安全、公開性、および正当性であり、これらの 考え方は『トライデントをつぶすためのハンドブック−トライデント核ミサイル 撤廃キャンペーンのためのオープン・ガイド』にすべて定義されています。ま た、『核の陰謀を打つ−国際法を支持しよう』という20分のビデオの中で、コ ア・グループの紹介、ファスレーンとクールポートの基地の様子、および非暴力 と安全の原則が簡単に説明されています。

 トライデント核ミサイル撤廃キャンペーンの活動家の個人名は、その数が、各 個人の安全を確保されるレベルに達するまで、秘密にされることになっていま す。参加希望の人はこの呼びかけの最後にある用紙に記入し、安全が確信されリ ストが公表されるまではその人数を伏せておかなければなりません。このリスト によってアフィニティ・グループが組織され、準備がなされます。例えば1997年 9月以前は、参加したいと考える人は約50人いましたが、外に10人ぐらいでも実 行するという人はたった18人でした。 それ以外の人は、自分の名前を公表するに は、さらに50〜100人が必要と考えていました。 5月までには、『核の犯罪を阻 止するための誓約書』にさらに数百人の署名を集めるつもりであり、それはわた したちがこれまで得た回答からは可能だと思われます。

多数の普通の人々がすすんで自己犠牲

 数百人がこの行動に参加するということはかなりの政治的な影響をもつと考え られます。また、それによって、こういった行動に参加するのは躊躇しがちな多 数の人々を引き付けることができます。単独で、あるいは5〜6人で長期に拘留 されるよりは、何百人で一緒に拘留される可能性の方が気持ちが楽だからです。

この行動には、外国からの参加をも呼びかけています。なぜなら、各国はイギリ スの核防衛政策による脅威にさらされていたり、それに巻き込まれたりしている という特定の理由があるからです。すでにわたしたちは、ベルギー、フィンラン ド、およびスエーデンにグループを形成しています。これらの地球市民の活動 は、各国政府や、マスコミに働きかけ、論争を巻き起こし、政治的圧力をかける ことで、トライデント核ミサイル撤廃キャンペーンをより効果的なものにするこ とでしょう。

わたしたちの法的防御の根拠は1996年7月8日の核兵器の脅威の合法性に関する 国際司法裁判所の勧告的意見です。わたしたちは、すべての参加者が利用できるよ うな完全な法的対策の『モデル』を準備します。この『モデル』の一部には、専 門家の助言と共感してくれる弁護士を探す方法にについての法的な説明も含まれ ています。参加者が直面する可能性のある法的な問題はすべてこのハンドブック の中に書かれています。各アフィニティ・グループは、出来る限り独立してお り、自己決定権をもって、裁判をすすめることができますが、全体的に助言、援 助、および支援を与える弁護団も組織されることになります。  わたしたちの側には法的正当性があり、法を順守していると信じていますが、 それにもかかわらず、裁判所の意見が違うこともあるかも知れません。もし、わ たしたちが最終的に、事実上の破壊活動とか、大量破壊活動の陰謀への関与とい うことで『有罪』とされた場合、理論的に言えば、各活動家は最長10年間の拘留 の可能性を考えておかなければなりません。にもかかわらず、スコットランドの 弁護士を含む多くの人々が、活動家たちは実際にトライデント潜水艦にたどり着 く前に逮捕され、100ポンド以下の少額の罰金を課せられるだろうと考えていま す。 わたしたちは、潜水艦にたどり着いて、安全にしかし重大な損害を与え、最 長の拘留期間を命じられた場合を仮定して計画をたてなければなりません。最長 の場合は10年間です。 この行動における総体的な道徳性と政治的な力によって、 どれぐらいの数の普通の人々が核兵器撤廃のために、すすんで自分を犠牲にする かを示すことになるでしょう。わたしたちは、みんなこの可能性に直面する勇気 をもたなければなりません。

 このプロジェクトは、公開されており、『当局』はわたしたちの名前と行動開 始の日を知ることになるので、トライデント潜水艦に近づくのは簡単ではないで しょう。基地に近づく前、または、フェンスの鉄条網を切って侵入しようとして いるとき逮捕されたとしても、失敗したことにはなりません。なぜなら、このプ ロジェクトの目的は核兵器の撤廃についての世論の喚起であり、政府が世論に応 えるよう説得することにあるからです。核兵器を撤去するために努力し、その計 画を実行しようとする意図ことこそが重要なのです。 これからの予定:

1998年3月まで

プラウシェアの活動家を募り、アフィニティ・グループを形成。 『エンパワラー』とワークショップの準備。 『ハンドブック』とビデオの作成

1998年5月2日土曜日

『核の犯罪を阻止するための誓約書』開始の記者会見と大衆集会 政府、 国会議員との3カ月間の交渉開始

警察、 警備関係者との協議開始。

1998年8月11-25日

11日には、 全員ファスレーンのゲート前に集まり、基地司令官に最後の要請を行 う。もし、文書で核兵器を解体するという回答がない場合は、各アフィニティ・ グループはそれぞれの計画にしたがって計画を遂行する。 それに続いてファスレーンとクールポートで2週間の集中かつ公開のトライデン ト撤廃活動を行なう。

1998年11月6-8日

週末の大衆的な行動を始める。

3カ月毎に大衆的な行動を行う予定であるが、その間に各アフィニティ・グルー プは自由にそれぞれの活動を行ってもよい。

 トライデント核ミサイル撤廃キャンペーン(トライデント・プラウシェア2000) の活動に参加されたい方は、できるだけ早く用紙に記入してお送りください。連 絡は下記におねがいします。

このリーフレットの作成にはトライデント核ミサイル撤廃キャンペーンのコア・ グループのメンバー、シルビア・ボイス、トレイシー・ハート、エレン・モック スレイ、ジェン・パーカー、ブライアン・クェール、ヘレン・スティーブン、お よびアンジー・ゼルターが当たりました。

連絡先:Trident Ploughshares 2000, 42-46 Bethel St, Norwich, Norfolk, NR2 1NR.

Tel:01603-611953. Fax-01603-666879

reforest@gn.apc.org

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緊急メディア・リリース

1998年9月20日

Press contact:Jim and Jane : Phone 01436-679-194 tp2000@gn.apc.org,

or David Mckenzie:Phone 01324-556768 mobile: 0777-5711054

Email: davidmc@enterprise.net.

Homepage

http://www.motherearth.org

http://www.gn.apc.org/tp2000

オーストラリア人たち、核廃絶行動を試みる

 イギリスの核兵器を廃絶するための、スコットランドのファスレーンでの劇的 な非暴力直接行動に、オーストラリア人兄妹が参加しています。彼女たちは大量 破壊兵器の廃絶の試みは、国際法の順守であると信じています。

 明日(8月16日)、彼女たちは30人のプラウシェア活動家とともに、 核ミサイル を搭載したトライデント潜水艦が停泊しているファスレーン基地に侵入するため フェンスを切断するという大衆行動に参加することになっています。この行動を 起こすことになったのは、イギリスが国際法に基づいてその義務を果たすように というプラウシェアの請願にたいして、ファスレーン基地司令官が返答を拒んで いるためです。

 トライデント・プラウシェア2000は、2000年までにイギリスの核兵器を、オー プンに、責任をもって、そして平和的に廃絶しようという試みです。この行動 は、すべての核兵器を廃絶するための国際的な先端的運動の一部です。

 キャンベラ公務員のイェンズ・ライト(32歳)と、 熱帯林情報センターのプロ ジェクト・マネジャー、アンニャ・ライト(30歳)は、国際司法裁判所の勧告的 意見が主張しているように、核兵器の廃絶は、自分たちの義務であると考えま す。

 「オーストラリア人たち圧倒的多数が、フランス核実験反対を通じて、かれら が核のない世界を欲していることを示しました。キャンベラ委員会と国際司法裁 判所の判断は、わたしたちに達成しうる、そして必要なゴールを示していま す。」

 「これまでのところ、核保有国は世界的な(核廃絶への)合意を無視し、核兵 器の生産と配備を継続し、実質的に犯罪を犯しています。今こそ、世界の利益の ためにすべての市民が立ち上がり、自ら核兵器の廃絶を開始する時です。」

 「オーストラリアはいまだにウランの輸出によって、恐るべき核サイクルの一 部に組み込まれており、わたしたちは問題を根源から断とうとしているジャビル カの活動家たちと連帯し、行動しています。オーストラリアとイギリスは遠く離 れていますが、この星全体が、国際司法裁判所所長が「究極の悪」と形容したも のによって脅かされています。イギリスのような国々が核兵器能力を発展させて いる間に、発展途上国は核兵器を保有する権利を主張し続けることでしょう。」

トライデント・プラウシェア2000とは

 100人以上のプラウシェア活動家たちが、安全性と非暴力に基づいて、小グル ープに別れて、8月11日からスコットランドのファスレーンでイギリスのトライ デント核兵器システムを廃絶するための大衆行動を行っている。活動家たちはす べて、「核の犯罪を阻止するてめの誓約書」に署名しており、彼女たちの名前は 公開されている。(http://www.gn.apc.org/tp2000/をご覧ください。) プラウシ ェア2000のキャンペーンの原則は、非暴力、透明性、そして責任です。プラウシ ェアの中心メンバーは1998年5月以来、イギリス政府との真剣で思慮ある対話と 交渉を試みてきが、それらはほとんど無視されてきた。

   (仮訳 大庭里美)