レベッカ・ジョンソンさんの手紙

親愛なる友人の皆様

 英国は、少なくとも2055年まで核兵器を持ち続けるためにトライデントを「更新」するという途方もなく愚かな一歩を踏み出そうとしています。この手紙は、アメリカやその他の国の国際的な平和活動家に、この愚かな歩みを阻止するための新しいイニシアティブ(運動)への支持を訴える、最初の呼びかけです。

 添付されている案内状には基本的な考えが述べられていますが、もちろん他にも言うべき沢山のことがらがあり、またこの運動はまだ初期の段階にあることでもありますので、質問やコメント、または基本的な考えについての議論がありましたら私の方まで気軽にご連絡下さい。

 私はこの運動の中心グループに加わっており、国際的な、そして女性の動員のための連絡に責任を負っています。しかし、アンジー・ゼルター(中心グループの連絡先)の話では、ジャネット・ブルームフィールド(注1)は支持を誓約し、「アボリッション2000」と「アトミック・ミラー」(Atomic Mirror)による共同封鎖を実現するための実務をやりたいとのことです。.それで、この運動拡大の第一段階での宣伝のための基礎的資料と招待状を出来るだけ広範囲のグループに送り終わったあとは、具体的なことは彼女に任せたいと思っています。

 10月はずいぶん先のことのように思われますが、今、私たちは支持者の署名を集め、細かい点はともかく原則的な参加の誓約を取り付け、そして動員をスタートさせる必要があります。私たちはいま共同して資料集めをしており、ウェブサイトは間もなく立ち上がり、走り始めるでしょう。あなた方にとっての第一歩は、この運動について議論し、この運動に原則的支持を与えて下さること、そして貴方がたのメンバーやネットワーク、そして参加や支持をしてくれそうだとお考えの人々やグループに、これを宣伝していただくことです。それから私は、少なくとも
100名(もっと多いことを望みますが)のアメリカ人の平和活動家に、出

来れば封鎖の最初の3ヶ月間に、48時間の封鎖のためにファスレーンに来ていただき、皆さんが焦点を当てたい安全保障問題の話題を何でも(同時に核兵器の愚かさも)宣伝していただくようにするためにはどうすればよいかを、皆さんと議論したいと思っています。もし、皆さんがそこで有益な時間を過ごしたならば(きっとそうなると私は思いますが)、一年間の後の方、多分、春か夏にもう一つ別のグループを動員する手助けをしてくれるでしょう!

 (ご参考までに)ファスレーンはグラスゴーの近くです。グラスゴーはヨーロッパの必見都市の中でナンバーワンに選ばれています(!!)近郊に2つの国際空港があります。実際、ロンドンに対するグリーナム(注2)よりも、ファスレーンはグラスゴーに近く、ちょうど30マイル、そしてローモンド湖(ロッホ・ローモンド)から車で1時間の美しい湖の畔にあります! 陸地には道路に通じる2つのゲートがあり、もちろん海があります(ですから私たちはグリーンピースのような海で活動する組織がボートを出して48時間封鎖に参加してくれることも望んでいます)。

 トライデントの更新という英国の決定に対するNGOの反対は、すでにトニー・ブレアに対して政治的コストを増加させており、ブレアとその仲間が回避したかった公然とした政治的議論を引き起こしています。ですからトライデントの更新は決してすでに結論が出ているというものではありません。このことは重要なことではありますが、しかし私たちの分析では、これで十分とはいえません。NPTが政治的駆け引きによって弱められ、国々の政府が核廃絶の誓約を裏切る状況において、英国の決定は、未来が核拡散になるのか核軍縮になるのかを決定づける重要なものになるでしょう。早晩、原潜更新の決定をしなければならないため、英国は「最も弱い環」であり、もし私たちが、草の根の動員と配備の物理的現場における機能麻痺をもって、可能な最大限の圧力を協力して加えるならば、この弱い環を断ち切ることが出来るのです。これこそが貴方の力添えを必要とする理由です!

 添付したチラシはあら原稿ですが、見て話し合ってください。そして、気軽に私に電話または電子メールして下さい。

 私は1月15日から27日までアメリカにいますが、電子メールか、多分、私のアメリカでの携帯電話番号1−646−765−1436(アメリカにいるときにはこの番号に切り替えています)で連絡がつきます。

 では平和で元気みなぎる2006年を
 レベッカ

2006年1月18日

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(訳:三好永作、豊島耕一、ピースデポ) 

訳者注
1.反核NGO「アトミック・ミラー」(The Atomic Mirror)の英国コーディネーター。http://www.atomicmirror.org/
2.グリーナムコモンのこと。80年代、女性を中心に核ミサイル基地に反対する非暴力運動が展開された。レベッカ・ジョンソンは当時の指導的活動家。