核兵器をなくすきっかけがイギリスに!
「ファスレーン365」計画への賛同・参加を呼びかけます 印刷向けpdfファイル
「ファスレーン365」国内支援者有志
世話人 豊島耕一* (佐賀大学理工学部教授)
ほか16名(末尾の名簿をご覧下さい)
* 840-8502 佐賀市本庄町1 佐賀大学理工学部
tel/fax 0952-28-8845,
メール toyoアットマークcc.saga-u.ac.jp必要な世界市民の協力
世界には2万発以上もの核兵器があり,それをなくすことは絶望的にさえ思えます.ところが今,かつてないチャンスが到来しています.現在の核兵器システムが2024年に退役するため,政府は更新するかどうかの決定を数年のうちにしなければなりません.更新には5兆円とも8兆円とも言われる膨大なお金がかかります.最近の世論調査によればイギリス国民の6割がこれに反対しており,この世論を圧倒的なものにしていけば,核兵器更新の中止,つまりイギリスでの核廃絶を実現できる可能性があるのです.
そこで,このタイミングを生かして世界中の市民が協力してイギリス政府に圧力をかけようというプロジェクト「ファスレーン365」が始まろうとしています.いわば,世界中の市民が力を合わせて,イギリスの核を「各個撃破」しようというのです.
イギリスの核兵器は4隻の「トライデント」と呼ばれる原子力潜水艦に積まれているのがすべてです.その基地がスコットランドのグラスゴーの近く, ファスレーンというところにあります.世界の市民が協力してこの基地を今年の10月1日から1年間切れ目なく封鎖し続け,基地機能を出来るだけ妨害しようというのです.それによってトライデント更新の問題を重要な政治論争として浮かび上がらせるのです.封鎖というと過激に聞こえますが,非暴力的に,基地の入り口に集団で座り込むのです.
イギリスの核は数から言えば全体のわずかかも知れませんが,世界で三番目に核兵器を作った国が非核化されることの政治的意味は大きいと思われます.
イギリスの反核運動の伝統
イギリスには「トライデント・プラウシェアズ」という,非暴力直接行動で核兵器の廃絶を目指す団体があります.これまでにすばらしい実績を挙げていますが,この「ファスレーン365」を提案しているのも「トライデント・プラウシェアズ」の創設者であるアンジー・ゼルターという女性です.彼女は1999年に仲間と3人で原子力潜水艦の関連施設に侵入し,内部の機器を家庭用ハンマーで破壊し,コンピュータなどを海に投げ捨てました.逮捕されましたが,裁判で無罪となっただけでなく,2年後の2001年には「第二のノーベル賞」と言われる「ライト・ライブリフッド賞」(Right Livelihood Award) を受賞しています(註1).また,この団体の徹底した非暴力主義とオープンさのため,直接行動であるにもかかわらず警察とはたいへん良好な関係にあります.
封鎖行動の実際
今年の10月1日からはじまるこのプロジェクトでは,少なくとも100名のグループが少なくとも48時間を担当します.小さなグループは人数を満たすために他のグループと連合することもできます.封鎖の方法は,非暴力かつ安全である限り参加者自身の創意工夫に任せられています.「トライデント・プラウシェアズ」がこれまで取ってきた方法は,基地ゲート前に座り込んだり,寝転んだりすることです.その際,長いプラスチックのチューブ中で互いの手と手をカラビナや錠前で繋ぐなどして,警察の排除に数時間を費やさせるというような工夫を行っています.
国際的な協力が必要なのは,365日間も封鎖を続けるというためだけでなく,核兵器は人類全体への脅威であり,したがってイギリスの核が国際問題であるということを明らかにするためでもあるのです.
まずは個人・団体での賛同署名を
すでに世界中の多くの団体や個人がこの計画に賛同を表明しています.その中には,イギリス最大の反核団体CND(英国核廃絶運動)や,1910年にノーベル平和賞を受賞した国際平和ビューロー(IPB),2003年のノーベル平和賞受賞者シリン・エバディーさんなどの名前が見られます.スコットランド議会やイギリス下院の議員も多数賛同しています.
どうかあなた個人として,あるいは諸団体におかれましては団体としてのご賛同をお願いします.賛同の書式は次にあります.(または本状に同封しています.)
http://www.faslane365.org/support/statement.phpまた,団体の方は現地での参加のためにチームを派遣することについても是非ご検討下さい.いずれも,詳しくは正式の呼びかけ文「トライデントを48時間止めよう -- “ファスレーン365”への参加のお誘い」(註2)をご覧下さい.
2006年8月30日(9月10日一部修正)
呼びかけ人(五十音順,9月10日現在) 浅井 基文 (広島平和研究所長)
池内 了 (総合研究大学院大学教授)
大場 一雄 (函館・「下北」から核を考える会共同代表)
きくちゆみ (環境・平和活動家)
岸 恵子 (佐賀市在住)
金城 睦 (弁護士・沖縄平和市民連絡会共同代表)
國弘 正雄 (元参議院議員,英国エジンバラ大学特任客員教授)
谷 百合子 (無防備・非核ネットワーク北海道)
暉峻 淑子 (埼玉大学名誉教授)
豊島 耕一 (佐賀大学理工学部教授,世話人)
八谷 まち子(九州大学、法学研究院教員)
藤岡 惇 (立命館大学教授)
真鍋 毅 (佐賀大学名誉教授)
三好 永作 (九州大学総合理工学研究院教授)
森 茂康 (九州大学名誉教授)
山下 侑子 (服飾デザイナー・元佐賀県議会議員)
青柳行信(カトリック福岡正義と平和協議会)
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註1 この事件についての彼女の文章が岩波の「世界」に掲載されています.
アンジー・ゼルター:わたしたちはなぜ核兵器を破壊するのか,「世界」2000年9月号,p.47-54.インターネットでも閲覧できます.
http://www.geocities.jp/chikushijiro2002/peace/sekai2k09.htmlこれより先,1996年の行動と判決についても,同誌に文章があります.
アンジー・ゼルター:地球市民の責任 東チモールとプラウシェアの平和運動,「世界」1999年11月号,p.120-128.これもネットでも閲覧できます.
http://www.geocities.jp/chikushijiro2002/peace/sekai9911.html註2 正式の呼びかけ文は,本状を文書で受け取られた方には同封しています.ネットでは次をご覧下さい.
http://www003.upp.so-net.ne.jp/maytime/F365/F365invit.html「ゴイル湖の平和運動家を支援する会」からリンクしています.「ゴイル湖」で検索,または
http://www003.upp.so-net.ne.jp/maytime/goilsupt.html